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仮設住宅、新天地へ移設 町内外の業者が無償で協力 震災学べる施設に整備

東日本大震災の記憶を伝えようと移設展示される仮設住宅=亘理町江下の中央工業団地仮設住宅

 東日本大震災で被災した宮城県亘理町で、実際に使われたプレハブ仮設住宅を展示する計画を進めるNPO法人セリアの会(東京)は13日、同町江下の中央工業団地仮設住宅で2戸の移設作業を行った。被災者の生活の記憶を後世に伝えるという趣旨に町内外の業者が共感し、無償で協力した。
 福島市の建築業「山田工業」と町内の大工ら計9人が作業に駆け付けた。25トンクレーン車を用意した山田工業は、セリアの会理事長でイスラエル系インドネシア人の音楽家セリア・ダンケルマンさんから知人を通じて依頼を受けたという。
 セリアの会は町の協力を得て、同町荒浜隈潟に震災の状況を学べる交流・研修施設の整備を計画し、新年度内の完成を目指す。建設予定地には内部を見学できる2DKの仮設住宅2戸を展示し、訪れた人の語り合いの場にする。
 この日は、住宅を基礎から外して分割し、トラックで運んだ。ボランティアで参加した大工の武蔵忠雄さん(66)は荒浜の自宅が被災し、自身も中央工業団地仮設住宅に入居していた。
 武蔵さんは「みんなが協力し合って住んでいた場所を残すのはいいことだ」と言う。山田工業の山田高士社長(40)は「震災を忘れないための活動と聞き、協力しようと思った」と話す。
 セリアの会荒浜支部の16人が昼食を用意したほか、ダンケルマンさんが教育支援を続ける地元保育所などの子どもたちも見学に訪れた。
 町では昨年3月、全仮設住宅から住人が退去した。ダンケルマンさんは「震災から7年近く経過し、仮設住宅を知らない子どもも多くなった。後世に震災を伝えていくためにも計画を進めたい」と語った。


2018年01月14日日曜日


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