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山形県立3病院システム統合 共通ソフト先行導入に「無駄」の声

医療システムの更新期限が迫る県立中央病院。新庄、河北と合わせた3県立病院の情報システム整備事業の行方が注目を集めている

 山形県立3病院の医療情報システム整備事業で、県の事業の進め方に県議会や事業者から疑問の声が上がっている。各病院の基幹システムを統合して医療会計などを共通化するのが最終目標で、県は第1段階として同一メーカーの共通パッケージソフトの先行導入を目指す。だが、業界関係者によると、病院のシステム統合は、各病院が院内の業務の進め方を擦り合わせ、統一した上でシステムを構築する手法が一般的。共通ソフトの導入は「最終的に無駄な投資になる」との指摘が絶えない。(山形総局・宮崎伸一)

<一般的ではない>
 県病院事業局によると、2018年12月〜20年11月に相次いで医療情報基幹システムが耐用期限を迎える中央(山形市)、新庄(新庄市)、河北(河北町)の3県立病院で、同一メーカーの共通パッケージソフトを導入する。事業費は17〜19年度の3年間で総額37億1800万円。
 県はシステム統合に向けた「第1段階」と位置付け、患者ID、病名や薬品コードの共通化を進め、その後のシステム統合に備えるという。
 だが、業界関係者や専門家によると、他の自治体病院の先行例でも、システム統合の前段として共通ソフトを導入するのは一般的とは言えない。
 東京都立病院や広島市立病院などは外来患者の受け付けや薬品の発注など、院内の個々の業務の進め方を共通化できるように調整し、それに合わせたシステムを築いているという。
 県議会12月定例会でも「一気にシステム統合ができないのか」「共通パッケージソフトの先行導入は最終的に無駄になるのではないか」といった疑問の声が相次いだ。

<「入札から排除」>
 県が共通パッケージソフトの先行導入にこだわるのは、中央病院の現行システムの耐用期限が18年12月に迫り、システム統合の準備期間が足りないからだ。
 病院事業局の担当者は河北新報社の取材に「病院の運営方法を調整することは大変な時間と手間がかかる。早く着手していれば可能だったかもしれないが、現時点では難しい」と打ち明ける。
 県は09年度にも県立病院のシステム統合を試みたが、発注先のコンサルタント会社の契約不履行で計画が頓挫。その後8年の期間があったが、今回の統合計画に着手したのは3年前からだった。
 この事業に注目が集まったのは、新庄病院の電子カルテシステムを受注している「YCC情報システム」(山形市、朝井正夫社長)が昨年10月、病院事業局に公開質問状を提出したのがきっかけだ。
 入札仕様書案の意見募集について県から連絡がなかったとして、同社が「入札から排除された」などと県を批判する内容だった。事業の妥当性についても、同社と資本関係のある地元紙が批判的に報道している。
 病院事業局によると、今月15日に入札が適切かどうかを判断する審査委員会を開く。今月下旬に入札告示、3月上旬に入札をして3月中旬までには落札者を決める予定だという。


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2018年01月14日日曜日


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