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<この人このまち>ちょっと変わった牛乳屋さん 牧場を人も集う中継地に

[佐々木光洋(ささき・みつひろ)]1969年、福島市生まれ。福島東高卒。北海道・十勝の牧場勤務などを経て91年にUターン。2008年からささき牛乳社長。8ヘクタールの牧場で27頭の乳牛を飼育する。カフェのソフトクリームは税込み350円。

 福島市佐原の「ささき牛乳」はちょっと変わった牛乳屋さんだ。製造、配達に加えて牧場直営のカフェを併設。そこは週1回、トークイベントなどの会場になる。「こんな面白い人が福島にいると、地元の人にも知ってほしい」。2代目の佐々木光洋さん(48)の思いは熱い。(福島総局・柴崎吉敬)

◎「ささき牛乳」2代目社長 佐々木光洋さん(48)

 −カフェの名物はソフトクリーム。牛乳屋さんならではですね。
 「じかに伝わる牛乳の味が売り。季節によってトマト味やイチゴ味が登場します。目玉はわさび味。地元の高齢農家の負担軽減から、仲間と手伝って収穫したワサビを使っています」

 −開店は2016年。東京電力福島第1原発事故からの復興や酪農再生が目的ですか。
 「よく言われます。でも、直接の理由は違います。お客さんに『牛乳以外の商品はないの』と聞かれ続けてきました。50年ほど前に牧場を始めた父と家族にとって、乳製品加工への挑戦は念願。現在は店長を務める姉が『家族の夢を担いたい』と50歳を目前に教師を辞めたのをきっかけに、一歩を踏み出しました」

 −トークイベントは昨年6月に始めたそうですね。
 「旧暦の13日に開催するため『十三夜講』。これまでに福島駅前の活性化に取り組む若手商店主や、原発事故からの農業再生に挑む果樹農家に仕事ぶりや目標を話してもらいました」

 −参加者の反応は。
 「集まるのは市民ら30人ほど。リピーターが3分の1、他は新しい方々。市内のアマチュア劇団代表のトークでは、参加者が『(演劇業界の話に)新鮮だった』と言っていただき、手応えを感じました」

 −大切にしているのは。
 「これまで県内外の同様の行事に参加し、自分が率直に『面白い』と感じる人を地元でも紹介したくて始めたのが十三夜講。聞き手としての経験から『場の雰囲気』を大事にしたいと考えています」
 「講師の方にお菓子を持ってきてもらうのもこのため。みんなで食べたり、講師を囲むように座席を配置するなど、場づくりの工夫を重ねています」

 −どんなカフェでありたいと考えていますか。
 「『地元には何もない』という言葉が大嫌い。『面白さ』がたくさんあると知ってほしい。カフェではわら草履作りなどの体験企画も行っています。興味や人のつながりを広げたい。『ハブ』的な役割を果たしていこうと思います」


関連ページ: 福島 経済

2018年01月15日月曜日


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