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<放射光施設>仙台整備濃厚に 文科省、早期建設求め報告書

 物質中の電子の動き方を解析する「次世代型放射光施設」の新設を検討する文部科学省科学技術・学術審議会の小委員会は18日、官民共同による早期建設を求める報告書を同省に示した。整備費は約340億円、運用経費は年間約29億円と試算。同省は年度内にも整備運用に向けた民間パートナーを公募する。仙台市の産学官連携組織「光科学イノベーションセンター」が応じる意向で、同市への整備実現が濃厚になった。
 同省は2018年度予算案に推進費2億3400万円を初計上。早ければ19年度の着手を目指す。整備期間は5年と見込まれ、23年度中にも最先端のイノベーション基盤が誕生する。
 光科学イノベーションセンターと東北経済連合会、宮城県は昨年5月、東北大青葉山新キャンパス(仙台市青葉区)を拠点とする整備構想を全国で唯一、同省に提案した。パートナー公募に応じるのもセンターだけとみられる。建設地の安定性や施設運営計画の妥当性が認められれば、整備が決まる見通し。
 小委員会は整備費約340億円のうち、国が190億〜200億円を負担する方針を示した。民間パートナーと立地自治体には135億〜150億円に加え、用地取得費や造成費の負担を求めた。
 国が加速器整備を担当し、民間は本体を収容する建屋建設などを受け持つ。リング型の加速器を高速で回る電子が方向を曲げた時に発する放射光を取り込む実験設備は当初10本造る。
 施設は物質中の電子の動き方を解析する軟エックス線領域に強みがあり、国内に9カ所ある既存施設の100〜1000倍の輝度がある。国側の施設整備は量子科学技術研究開発機構(千葉市)が取り組む。
 小委員会主査(座長)の雨宮慶幸東大大学院特任教授は「産学にとって念願の施設。国は良いパートナーと組み、ぜひ前に進めてほしい」と述べた。


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2018年01月19日金曜日


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