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<花巻市長選>雑穀王国、進まぬ後押し 震災や高齢化で生産半減

花巻市産ハトムギ茶の袋詰め作業=プロ農夢花巻

 任期満了に伴う岩手県花巻市長選が21日告示される。全国有数の雑穀生産地・花巻は、健康志向の高まりを受けて増産体制の構築が急務だ。伝統の特産品を地域の収入に結び付けるため、官民一体の取り組みが求められる。(盛岡総局・松本果奈)
 いわて花巻農協の子会社「プロ農夢(のうむ)花巻」は雑穀の加工、販売を手掛ける「雑穀の専門商社」。各種穀物の小分けパックやハトムギ茶などの加工品を扱う。
 高橋一矢営業課長は「雑穀は貧しい時代の食べ物という印象が強いが、十数種類の穀物を育む土地は貴重な財産だ」と強調する。
 岩手県の主要6穀(ヒエ、アワ、キビ、ハトムギ、アマランサス、タカキビ)の2015年生産量は全国1位の434トン。うち約7割を花巻が占める。2000年代前半には市や地元農協が稲作からの転作作物として生産拡大を進めてきた。
 いわて花巻農協の畠山英剛米穀販売課長は「雑穀は収量さえ確保できれば、高い利益を得られる」と語り「新規生産者を掘り起こしたい」と増産に意欲を示す。
 しかし意気込みとは裏腹に東日本大震災の風評や生産農家の高齢化で、市の雑穀生産量は最盛期から半減してしまった。「雑穀王国・花巻」の実態は、他産地との相対的な比較でしかない。
 市は03年策定の「花巻地方水田農業ビジョン」で雑穀の一大産地化を表明。関係機関でつくる市農業振興対策本部が生産団体などを後押ししてきたと説明するが、独自施策はハトムギ収穫に対する費用の一部助成にとどまっているのが実態だ。
 アワ、キビ、アマランサスなどの栽培面積は足踏みが続いており、地元の農業法人「鍋割川ユニオン」の及川光孝代表は「手厚い助成と若者の就農支援を強化してほしい」と訴える。
 プロ農夢花巻の高橋営業課長は「今後は機械化を進めるなど時代に合った生産方法の確立も必要だ」と指摘。こうした関係者の声に耳を傾ける農業政策が求められている。
 市長選には、再選を目指す現職の上田東一氏(63)が立候補を予定している。


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2018年01月19日金曜日


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