宮城のニュース

被災の高砂長寿味噌が事業停止 新会社で再出発

伝統のみそ造りの拠点となってきた東松島工場=19日、東松島市大塩

 東日本大震災で被災した石巻市のみそ・しょうゆ製造販売業「高砂長寿味噌(みそ)本舗」が事業を停止し、従業員全員を解雇することが19日、分かった。同社関係者によると、負債額は約5億円。経営陣を一新した新会社が従業員の雇用や伝統のみそ造りを継承し、2月1日にも再出発する見通し。
 高砂長寿味噌本舗の幹部が19日、みそ商品を製造してきた東松島工場(東松島市)で全従業員25人に解雇を伝えた。経営再建を図ってきた高砂裕子社長と夫の光延顧問は経営から退き、代理人らが法的手続きを進める。
 同社は前身が1901年に創業し、69年に現社名となった。みそやしょうゆ、調味料など多彩な商品を製造・販売し、ピーク時の売上高は約4億5000万円に上った。震災の津波で本社蔵や販売店、大口の得意先が被災。一時的に休業して取引先に商品を供給できなくなったほか、原料の国産大豆の価格高騰なども重なり事業環境が悪化した。
 関係者によると、同社の窮状を救おうと東松島市の企業が昨年12月、東松島工場を任意売買で取得。近く、資本金1000万円で新会社「東松島長寿味噌」を設立し、同企業の社員を社長に充てる。本店は東松島市に置く。新会社で働く意欲のある従業員は再雇用し、東松島工場の機械や工程を引き継ぐ見込み。
 高砂顧問は「長寿味噌ののれんや製法、従業員が守られ、ありがたい」と感謝。支援の手を差し伸べた企業関係者は「事業を継続できるよう後押しし、より品質の良い商品を消費者に届けたい」と話した。


2018年01月20日土曜日


先頭に戻る