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気仙沼・津波に耐えた桜 伐採木を無償提供 看板やベンチなどに活用

活用する桜の伐採木を選ぶ市民

 宮城県気仙沼土木事務所は19日、東日本大震災の津波に耐えながら、県の河川堤防の建設に伴い伐採された気仙沼市神山川沿いにあった桜の木の無償提供を始めた。受け取った住民らは「残してほしいと願った地元の思いも受け止め、大事に利用したい」と誓った。

 提供したのは直径10〜20センチで長さ90センチと、直径20〜30センチで長さ45センチの材木150本。11月に伐採したソメイヨシノ39本のうち、状態が良い幹を選んだ。
 同市赤岩港の保管場所には事前に予約した希望者が次々と訪問。同土木事務所の職員が見守る中、使用目的に応じた桜の幹を見定めていた。
 気仙沼市で不登校の小中学生や引きこもりの若者を受け入れる「フリースペースつなぎ」の代表、中村みちよさん(49)は8本を受け取った。今夏に建てる新たな拠点の看板やベンチなどに利用する。
 中村さんは「みんなで川沿いを散歩する機会も多く、津波に耐えた桜に勇気づけられていた。形を変えても子どもたちを励まし続けてほしい」と話した。
 20日も引き渡しがあり、計36人が桜の木を受け取る。同土木事務所によると気仙沼市以外の希望者が多く、利用方法としては椅子や額縁、おわん、まきストーブの燃料などを想定しているという。
 神山川左岸約600メートルの桜並木は58本あり、地元住民が40〜50年前に植栽。津波をかぶっても花を咲かせて話題となった。県は当初、全ての桜を切る予定だったが、地元の反発などで計画を変更。一部を残した。


2018年01月20日土曜日


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