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宮城県民会館建て替えと音楽ホール構想 知事と仙台市長やりとりかみ合わず

 宮城県が建て替えを視野に入れる仙台市青葉区の東京エレクトロンホール宮城(県民会館)と仙台市が整備検討中の音楽ホールを巡り、村井嘉浩知事と郡和子市長のかみ合わないやりとりが続いている。単独整備の議論が先行する市に対し、県は財政負担を考慮しながら連携を図りたい考えだが、具体策を示せずにいる。検討状況の進度に差があり、両者の溝は埋まっていない。

<公約に盛り込む>
 二つの施設を巡っては、昨年7月の市長選と10月の知事選を契機に議論が加速した。音楽ホールについて、郡市長は「優先順位と手法を再検証して経費削減する」と掲げ、村井知事は「新たな県民会館の整備検討を本格的に進める」と公約に盛り込んだ。
 村井知事と郡市長の最近の発言は図の通り。県市連携を模索する村井知事に対し、郡市長は県との合同整備に否定的で、市単独で進める意向を市議会や定例記者会見で繰り返した。
 「本音で話し合う場を」と村井知事は協議の必要性を呼び掛けるが、郡市長は県の有識者会議が設置されていない状況などを踏まえ、「県の考えをまとめるのが先だ」とけん制する。
 市は2015年度、基礎調査に着手し、19年度にも基本構想の策定を目指す。今月開催した検討懇話会では、2000席程度の主ホールと300〜500席程度の小ホールを中心とした施設構成の素案を示すなどし、動きは先行する。

<協議の予定なし>
 昨年12月11日の定例記者会見で、村井知事は「市内では大きなイベントが同時に開催されることもあり、2000席の施設が複数あっていいとの声もある」と話したが、具体的な計画づくりを進める市には「同じ物を二つ造ってどうするのか」(幹部)と戸惑いが広がった。
 村井知事は取材に「あらゆる可能性を排除していない。どういった施設が望ましいか考えたい」と述べ、大規模改修の選択肢を含めて検討を進める考えを示す。郡市長は「県がどのような構想を持っているかを見ないと、評価できない」とくぎを刺す。
 現段階では村井知事と郡市長が直接、協議に臨む予定はない。県と市の担当者は「事務レベルでの連絡調整は継続する。具体的な連携はトップ同士の政治的な話し合いになるだろう」と口をそろえる。


[県民会館]1964年開館で、1590人収容のホールを備える。老朽化が進み、東日本大震災後は施設の損傷で1年3カ月間休館。村井嘉浩知事は2016年の県議会11月定例会で、再整備を検討する有識者会議を17年度中に設置する方針を初めて示した。

[音楽ホール構想]仙台市内には2000席規模の専用施設がなく、建設を目指す動きは20年以上前からあった。1973年開館の市民会館は老朽化が進み、経済団体などが整備を要望。奥山恵美子前市長は初当選した2009年の市長選で建設を公約に掲げた。


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2018年01月21日日曜日


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