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いわきのかーちゃんたちの味「ポーポー焼き」惜別 サンマ不漁で提供困難に、仮設店舗閉店

最後のポーポー焼きを作る大峯さん(手前)ら。土産品としても人気だった

 東日本大震災の津波で大きな被害を受けた福島県いわき市平豊間で20日、地元の女性7人が切り盛りした仮設商店「豊間屋」が閉店した。サンマの記録的な不漁で、看板メニューの郷土料理、ポーポー焼きの販売が難しくなった。かーちゃんたちは「住民らに元気を発信できた」と前を向いた。
 ポーポー焼きは、刻んだサンマの身にタマネギなどを交ぜてハンバーグ状にして焼く。最終日はサンマ2キロで約70個作った。予約分だけでほぼ完売。手作りの味は最後まで人気だった。
 調理を担った大峯幸子さん(61)は自宅が津波で全壊した。「楽しかったので閉店は寂しい。店に関わるようになり、津波の映像を見ると出ていた涙が出なくなった」と振り返った。
 豊間屋は2015年11月、住民らの復興協議会が主体となり仮設商店街「とよマルシェ」の空き店舗で開業した。近くの災害公営住宅の被災者ら向けに食品や日用品を販売。「人を呼び込もう」と串に刺したポーポー焼きは評判を呼んだ。
 店を襲ったのがサンマの不漁だ。市内の昨年の水揚げは約1700トンで震災前の約3割。安定的な仕入れが難しくなり、のれんを下ろすと決まった。
 「住民の生活が落ち着き、役割は果たせた」(橋本和彦店長)との判断もあった。仮設商店街も今年いっぱいで閉まる。
 店には豊間を離れた人や復興従事者らも訪れ、再会や交流も演出してきた。売り場担当の田山光子さん(70)は「素人のみんなが豊間のため頑張った。明るくすれば人が寄ってくると笑顔を心掛けた。今後も復興に協力したい」と話した。


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2018年01月21日日曜日


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