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野菜高騰家計厳冬 飲食店「今は耐えるしか…」

鍋物コーナーには平年の2倍近くに価格が高騰したハクサイが並ぶ=仙台市宮城野区のみやぎ生協幸町店

 鍋物やおでんに欠かせないハクサイやダイコンなど野菜の価格が、東北で高騰している。主産地の関東が昨年秋から台風や低温に見舞われ、収穫量が減ったり、生育が遅れたりしたためだ。消費者は少量買いや代用品でしのぎ、飲食店は採算の悪化に耐えながら提供を続ける所も。あと1カ月程度は高値が続くとみられ、鍋は寂しく、家計に厳しい冬となりそうだ。

 仙台市中央卸売市場(仙台市若林区)によると、今月1〜20日の1キロ当たりの取引価格は、冬野菜の代表のハクサイが平年の約1.8倍の154円、ダイコンが約2倍の213円。一年を通じて人気のキャベツも約1.5倍の175円、レタスが約1.5倍の460円と値上がりしている。
 主産地の茨城、千葉、神奈川の各県は昨年10月の台風21、22号で野菜が流されるといった大きな被害を受けた。翌11月以降は低温の日が多く、生育を妨げた。
 みやぎ生協幸町店(宮城野区)は割高感を解消するため、半分や4分の1に小分けしたハクサイやダイコンを多くそろえた。野菜売り場の「鍋物コーナー」は例年、冬野菜が大半を占めるが、今年はキノコが主役で半分を占拠している。
 来店した宮城野区の主婦四戸友子さん(74)は「野菜のメニューを減らし、代わりに安いキノコを多く使っている」と話す。
 宮城、山形両県に約65店舗を展開するスーパー「ヤマザワ」(山形市)では冬野菜の代用品が人気だ。施設栽培で安定供給される豆苗(とうみょう)は昨年の約4倍、100円前後で購入できるカットサラダは2倍近い売れ行きを見せる。
 スーパーより野菜が比較的安いとされる道の駅。福島県国見町の道の駅「国見あつかしの郷(さと)」には平日朝から多くの客が訪れ、昼すぎにはダイコンが売り切れるという。
 一方、飲食店は代用品を使えず、客離れを懸念して価格転嫁にも踏み切れない。青葉区の「おでん三吉」は、人気のダイコンを例年の2倍の価格で仕入れるが、値段は据え置いたまま。店主の田村忠嗣さん(74)は「急に値段を上げるわけにいかず、採算が厳しい。今は耐えるしかない」と漏らす。
 農林水産省は、2月以降に全国各地で出荷が増えて価格は落ち着くとの見解を示す。だが、市場関係者によると、東北は他地域より価格安定が遅れる傾向があり、2月中〜下旬まで高値が続くという見方が強い。
 青果卸の仙台中央青果卸売(若林区)の担当者は「買い控えが続けば生産者の収入が減り、深刻な影響を与える」と指摘。「ニンジンやタマネギなど安価な野菜と組み合わせてメニューを考え、冬を乗り切ってほしい」と訴える。


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2018年01月22日月曜日


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