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被災土蔵から芸術発信 気仙沼の国文化財「小野健商店」で地元の陶芸家が初の企画展

被災し修復された土蔵で陶芸展を開いた斎藤さん(左)と、企画した小野寺さん

 宮城県気仙沼市の国登録有形文化財・小野健商店土蔵で、同市の陶芸家斎藤乾一さん(75)の作品展が開かれている。土蔵は東日本大震災で被災し、修復後は漁業資料館として公開しており、企画展は初。魚問屋である同商店社長の小野寺健蔵さん(55)は「地元の文化発信の拠点として、市民に親しんでもらいたい。今後も積極的に企画していきたい」と意気込む。
 斎藤さんは1978年、古里に高前田乾隆窯を開いた。土蔵の1階に初期の80年ごろから2015年ごろまでの作品を展示した。花入れや大皿、つぼ、震災をテーマにした陶画など約30点が並ぶ。
 気仙沼の海を映したような青と、大地を思わせる茶色が斎藤さんの作品の特徴。開窯から現在まで年代を追っての展示会はほとんどなく、作風の移り変わりを感じ取ることができる。
 戦後間もなく建てられた土蔵は2階建てで、外壁上部は白しっくい、下部は白黒格子状のなまこ壁。震災で被災し、小野寺さんは一時取り壊しを考えたが、国内外からの支援も受けて修復した。普段は所蔵の漁業関係資料を展示する。
 小野寺さんは「多くの方の支援でよみがえった蔵を見てもらい、感謝の気持ちを伝えたい。地域の文化振興のためにも第1回企画展は、地元の土を使った斎藤さんの陶芸を考えていた」と話す。
 長年交流がある斎藤さんは「重厚な蔵の中で見る陶芸は、また趣が違う。震災で傷ついた気仙沼にとって、この蔵が芸術、文化復興のスタート地点になればいい」と期待している。
 展示は2月10日ごろまでの予定。平日の午後1時〜3時半に、自由に見学できる。無料。連絡先は小野寺さん090(3123)0910。


2018年01月22日月曜日


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