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<道の駅進化形>(1)上品の郷(石巻市)交通拠点のモデル認定

地域交通拠点としてワゴンタイプの住民バスが乗り入れる道の駅「上品の郷」
バスの乗り継ぎをゆっくり過ごせる待合所

 道の駅は平成生まれだ。平成5(1993)年の制度創設以来、市町村の申請に基づく国土交通省の登録数は増え続け、昨年11月で全国1134駅、東北160駅に上る(未開業を含む)。ドライブなどの休憩先としてだけでなく、地域とともに進化を続ける道の駅。新たな可能性を予感させる東北の事例の一端を紹介する。

<待ち時間も快適>
 テレビと冷暖房が完備され、ゆっくりくつろげる畳の小上がりもある。公衆トイレが隣接し、バスの待ち時間を過ごすには最適な設備が整う。
 市街地行きの路線バスが発着する石巻市小船越の道の駅「上品(じょうぼん)の郷」の待合所。路線バスが通らない沿岸と内陸の集落を走る住民バスも同じく拠点とし、交通の結節点として平日は上下合わせて39便のバスが往来する。
 同市福地の無職佐藤進さん(42)は市街地への通院の帰り道、たまに路線バスで道の駅に立ち寄る。「待合所は暖かくて居心地がいい」。住民バスを1時間以上待っても苦にならないという。
 路線バスと住民バスをつなぎ過疎地域の交通を支える役割は全国的にも評価され、昨年11月、国土交通省が認定する地域交通拠点のモデルに選ばれた。モデル認定は全国で7カ所、東北では上品の郷だけだ。今後は全国の道の駅から視察などが予想される。

<住民生活支える>
 上品の郷は2005年3月に開業した。当初、バス停は駅に接する国道45号沿いにあり、利用者は屋根のないバス停で待ち、乗り継ぎの際は道路を横断する必要があった。
 民間バス事業者と話し合い、09年に利便性を改善しようとバス停を道の駅の敷地内に移した。市が13年に実施した地元・河北地区住民へのアンケートでは、回答者の約8割が道の駅を拠点とした運行形態で「よい」と答え、評判は上々だ。
 東日本大震災では住民バスが運行する河北、北上、雄勝の各地区が大きな被害を受けた。住民たちは市内の仮設住宅に散らばり、仮設住宅を回る住民バス路線が新設された。上品の郷がバス経由地として被災者の生活を支えた点も、モデル認定の審査で重視された。
 道の駅の太田実駅長(75)は「モデル認定は車を持たない交通弱者を意識して取り組んできた結果だ。道の駅には温泉や直売所もあり、バスを待つには最高の条件が整っている。今後も住民の生活に役立つ道の駅を運営したい」と意気込む。

[メモ]施設内には温泉施設「ふたごの湯」や農産物直売所、レストラン、コンビニエンスストアがある。屋外の足湯は自由に利用できる。営業は温泉が午前9時〜午後9時、直売所は午前9時〜午後7時。三陸自動車道河北インターチェンジから東に約500メートル。連絡先は0225(62)3670。


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2018年01月23日火曜日


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