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<大川小訴訟>控訴審が結審、和解勧告見送り 判決は4月26日

石巻市の大川小=2016年2月

 東日本大震災の津波で死亡・行方不明になった石巻市大川小の児童23人の19遺族が、市と宮城県に約23億円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審第8回口頭弁論が23日、仙台高裁であり、遺族側と市・県側がそれぞれ最終準備書面を陳述し結審した。高裁は和解勧告を見送り、判決期日を4月26日に指定した。
 遺族側は大川小の一部学区が津波浸水予想区域を含む点に触れ、「学校は児童が津波被災する危険を認識できた」と強調。堤防が地震で壊れる可能性も想定できたとし、「事前の予見義務があった」と主張した。
 市教委の対応は「適切なマニュアル策定の指導義務を怠った」と指摘。校長は「学校の地理状況を確認せず、津波は来ないと即断してマニュアルを見直さなかった」と批判し、学校の組織的過失を改めて訴えた。
 市・県側は「学校までの津波到達は歴史的にも例がなく、事前の予見は不可能」と反論。学校自体は浸水予想区域外に立地することなどから「津波の想定は職務上求められるものではなく、当時のマニュアルに不備はない」と述べた。
 市教委の事前防災の取り組みについては「必要十分で、各校に標準的なマニュアル見本を示し、必要に応じて指導や助言をしていた」と強調した。
 弁論終結後、小川浩裁判長は双方に和解の意思を確認。市・県側は希望したが遺族側が拒否したため、和解勧告しなかった。
 大川小では児童74人と教職員10人の計84人が死亡・行方不明になった。一審仙台地裁判決は校庭にいた教員らが津波襲来を約7分前までに予見できたと判断。市・県に計約14億2660万円の賠償を命じた。
 亀山紘市長と村井嘉浩知事は「和解による解決に至らなかったことは大変残念だ」との談話をそれぞれ出した。


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2018年01月24日水曜日


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