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東北、倒産は低水準…でも 休廃業は倒産の6倍 後継者不足や高齢化で

前社長から事業を引き継ぎ、ゴルフ用品の手入れをする福島社長

 東北の企業倒産が低水準となっている背景には、東日本大震災の復興需要や景気の回復基調に加えて、休廃業の多さがある。東京商工リサーチによると、東北の2017年の休廃業は2000件前後とみられ、倒産の約6倍に上る。後継者不足や経営者の高齢化が進み、倒産に陥る前に自主的に店を畳むケースが多い。
 東京商工リサーチ東北支社によると、気仙沼市の漁業資材販売会社は震災後、被災した漁業者からの受注が増えて業績は好調だったが、復興需要が収まるにつれて売上高が減少した。
 昨年1月、80代の男性社長が死去。いったん妻が後を継いだが高齢で後継者がおらず、先行きへの不安から同年3月に廃業した。
 東北支社情報部の担当者は「人口が減って市場が縮小する地方では業績改善の見通しが立たず、負債が膨らむ前に廃業する事業者が多い」と分析する。
 帝国データバンクの調査では、東北の企業の7割が「事業承継は経営上の問題」と回答。「後継者が決まっていない」「自社株の取り扱いが分からない」などの理由で事業承継に踏み出せない企業も少なくない。
 仙台市青葉区の中古ゴルフ用品店「ワンハンドレット」の福島聡社長(58)は昨年12月、70代の前社長から事業を引き継いだ。2年ほど前から後任の話を受けていたが進展せず、昨年春に前社長が体調を崩したため承継を急いだという。
 福島さんは「前社長側との株式買い取りの協議が難航した。早めに話し合い、新旧の経営者で共通認識を持つことが重要だ」と強調する。
 福島社長は株式取得の際、事業承継する個人に融資する日本政策金融公庫の制度を利用した。同公庫の担当者は「制度の利用実績はまだ少ない。制度を周知し、事業承継を後押ししたい」と話す。


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2018年01月27日土曜日


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