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車両放火「第三者の犯行の可能性捨てきれない」仙台地裁、被告に無罪判決

 駐車場に停車中の車両に放火したとして、器物損壊罪に問われた白石市福岡長袋、運転代行運転手菅野司被告(32)の判決で、仙台地裁は26日、「現場の駐車場は誰でも立ち入り可能で、第三者が犯行に関わった可能性を捨てきれない」として無罪(求刑懲役1年6月)を言い渡した。

 被告は2016年11月23日深夜、同市半沢屋敷西の駐車場に止めてあった軽乗用車に放火し、ボンネットなどを焼損させたとして17年2月に起訴された。
 検察側は、(1)被告が現場に自分の車で立ち寄ったことを示すカーナビ記録(2)被告が立ち去った数分後に車が発火する様子を捉えた河川カメラ映像(3)現場で見つかった新聞紙片の燃えかすと同じ日付の新聞紙を被告の車内から発見−などの証拠から、「被告が犯人でなければ合理的な説明がつかない」と主張していた。
 加藤亮裁判長は「タイヤの具合を確認するために駐車場に立ち寄った」との被告の供述を「やや不自然」とした上で、「河川カメラ映像を踏まえても犯行時刻や放火態様の厳密な特定はできておらず、第三者の犯行の機会がなかったとは言い難い」と指摘した。
 新聞紙は「(新聞紙など)家庭ごみを庭先で燃やすことが珍しくない地域事情から、現場の紙片と放火が直ちに結び付くか疑問」とし、「証拠内容は、ある程度の嫌疑を抱かせるにすぎず、犯人と認定するには合理的な疑いを差し挟む余地が残る」と結論付けた。
 菅野さんは仙台市内で記者会見し「逮捕後の取り調べで警察官から『お前がやったんだろ』と何度も言われ、悔しかった。最初から決め付けずに捜査してほしかった」と話した。
 仙台地検の高橋孝一次席検事は「起訴は妥当だったと考えており、無罪判決は遺憾。内容を検討した上で今後の対応を考えたい」と述べた。


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2018年01月27日土曜日


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