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<深沼海岸>テリハノイバラ静かに見守って 津波、復興工事に耐え白い花咲かせる

東日本大震災の慰霊塔や観音像の背後に咲くテリハノイバラ=仙台市若林区荒浜、2017年6月(大滝さん提供)

 東日本大震災で津波を受けた仙台市若林区の深沼海岸で、ツルバラの一種「テリハノイバラ(照葉野茨)」が辛うじて生き残っている。青葉区の開業医で愛好家の大滝正通さん(76)が見つけた。「そそとしてかれんな花を咲かせる。貴重な野生種なので静かに見守ってほしい」と語る。

 テリハノイバラはハマナスと同じく、砂浜に生える日本原生種のバラ。宮城県が野生の北限との説もある。19世紀に欧州へ運ばれて交配され、子孫の園芸品種が世界中に広まっている。
 深沼海岸のテリハノイバラを定点観測してきた大滝さんは震災後の2011年5月、日当たりの良い松林の根元にわずかに残っているのを見つけた。その後、保安林の植樹や堤防工事で一時的に姿を消したが、17年6月に再び植生を確認できたという。
 6月20日前後に、約1週間だけ直径3センチの花を咲かせる。五つの花弁を付ける純白の花と「テリハ」の由来になった葉の深緑色の光沢とのコントラストが鮮やかだ。
 大滝さんは全国のバラ愛好家でつくる「オールドローズとつるばらのクラブ」の会報に投稿し、昨年12月号で深沼海岸に生き残るテリハノイバラを紹介した。
 「津波で塩水に漬かり、工事で整地されてもたくましく育っているのに驚く」と大滝さん。「深沼海岸は環境が激しく変化しているが、震災を乗り越えたたくましい草花。何とか生き延びてほしい」と願う。


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2018年01月27日土曜日


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