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盲導犬と一緒にお勤め 心強い相棒と快適通勤「理解深まってほしい」

福島県庁の職場で鈴木さんの仕事を見守るエナ

 雌のラブラドールレトリバー「エナ」は福島県庁に通う初めての盲導犬だ。職員研修課の鈴木祐花さん(27)のパートナーで、研修会場などにも共に出掛ける。鈴木さんは「通勤が快適になった。盲導犬への理解が深まってほしい」と期待する。
 福島市内の自宅から徒歩約20分。エナは鈴木さんと県庁に出勤する。1階の障害者用トイレに立ち寄ってから階段で2階へ。職員研修課の鈴木さんの机の横でじっとしている。
 エナが鈴木さんのパートナーとなり、県庁に通い始めたのは2016年10月。職員研修課では「居て当たり前」の存在。鈴木さんが企画に携わるダイバーシティー(多様性)関連などの研修会場でも一緒だ。
 鈴木さんは生まれつき視力が弱く、小学4年の頃から右目は光を感じる程度、左目は全く見えなくなった。大阪府内の大学を卒業。福島県が初導入した点字試験に合格し、13年春に県職員となった。
 3年前、二本松市の実家を離れて福島市で1人暮らしを始めた頃、盲導犬との歩行体験に参加した。驚くほどスムーズに歩けた。
 「利用したい」と決断した。日本盲導犬協会の仙台訓練センター(仙台市青葉区)で1カ月間、エナと共同生活の訓練を受け、互いにパートナーとなった。
 白杖(はくじょう)に頼っていた暮らしは大きく変わった。道路脇に停車中の車や段差への恐怖が減り、行動範囲が拡大した。「以前は通勤だけで疲れてしまった。エナのおかげでスーパーやカラオケにも気兼ねなく行ける」
 職場も受け入れに協力した。事前に開いた勉強会では実際に盲導犬に来てもらい、「むやみに触れない」「食べ物を与えない」といった注意点を学んだ。職員研修課副課長の大野隆一さん(53)は「抵抗なくエナを迎えられた」と話す。
 日本盲人社会福祉施設協議会によると、全国で活躍する盲導犬は951頭(昨年3月末時点)で東北は75頭。全国盲導犬施設連合会は約3000人が盲導犬を必要としていると推計する。
 「今まで諦めていたこともエナと一緒なら『何とかなるかな』と思える」と鈴木さん。上司の大野さんは「(職場などで)盲導犬がいることが当たり前になっていくといい」と語る。


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2018年01月28日日曜日


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