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八戸の「野の天文学者」前原寅吉を小惑星名に 子孫「先祖が永久に輝き続けることがうれしい」

小林市長(左)に命名を報告する俊彦さん(中央)と義一さん
前原 寅吉

 時計販売店を営みながらアマチュア天文家として活躍した八戸市の前原寅吉(1872〜1950年)の名前が、小惑星の名前として国際天文学連合(IAU、本部パリ)に承認された。子孫は「自分たちが他界した後も、先祖が空で永久に輝き続けることがうれしい」と喜んでいる。

 名前が付いた小惑星「20080番Maeharatorakichi」は1994年、札幌市と北海道北見市のアマチュア天文家が発見。火星と木星の間にあり、直径約10キロ。約3年7カ月の周期で太陽の周りを回っている。明るさは約16等級で、肉眼や小型望遠鏡では見ることができない。
 寅吉は八戸藩の下級武士の子として生まれ、市中心部で現在の宝飾・時計店「マエバラ」を創業。家業の傍ら天体観測に力を入れ、1910年には世界で唯一、ハレー彗星(すいせい)の太陽面通過の観測に成功した。
 太陽の黒点と冷害との関係にも着目し、太陽の観測も続けた影響のためか40代で失明。その後も研究を続けるなど貢献し「野の天文学者」と呼ばれている。
 寅吉の功績をたたえ、天体写真家の藤井旭さんらが命名を提案。IAU小惑星命名委員会(米国)が2017年10月5日、承認を発表した。
 寅吉のひ孫でマエバラ社長の前原俊彦さん(59)と、孫で同社会長の義一さん(88)が25日、八戸市役所を訪れ、小林真市長に命名を報告。有志が作った登録記念のラベルを貼った日本酒も贈った。
 俊彦さんは「前原寅吉の名前を観光や産業面などで使ってもらえればうれしい」と言い、小林市長は「子どもたちに夢を与えてくれる」と話した。
 小惑星は4月18日の日没後、西の空にある金星の右下付近で観測できる。次に地球に最接近するのは来年3月4日。


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2018年01月29日月曜日


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