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被災中小と大手企業を橋渡し 復興庁「結の場」プロジェクト260件以上に

2016年度の「結の場」で具体化した主なプロジェクト

 東日本大震災で被災した中小企業と大手企業を橋渡しし、経営課題の解決を目指す復興庁の仲介事業「結(ゆい)の場」が実を結んでいる。企業の社会的責任(CSR)で復興を後押しする大手が被災中小にノウハウを提供。商品開発や販路開拓に生かすのが狙い。これまでに260件以上のプロジェクトが企画され、実現した例も多い。同庁は2018年度も継続する方針。

 宮城県東松島市特産のノリを生地に練り込んだ乾麺「のりうどん」を海外に売り込もうと、ちゃんこ萩乃井(東松島市)は16年度、同市であったワークショップ(WS)に参加。カメイ(仙台市)の支援を受け、グループ会社が米国で展開する日系スーパーへの販路を確立した。
 大森宣勝社長は「米国での反応はまずまず。カメイには、より低いコストでノリを微粒化できる加工場も紹介してもらった」と感謝する。WSが縁となって他の企業からも生麺をゆでて急速冷凍した商品を提案され、実用化を目指す。
 WSは12〜16年度、復興庁が岩手、宮城、福島3県で18回開催。被災側延べ147社、支援側延べ473社が参加し、264件のプロジェクトが生まれた。16年度の主な成果は=表=の通り。17年度はWSが4回あり、プロジェクトは40〜50件の見込みという。
 結の場では大手企業に成功報酬はなく、今後、CSR頼みでは支援の先細りが懸念される。震災から間もなく7年。被災企業が求める内容も多様化、高度化している。
 一方、補助金型ではないため事業費は会場代、交通費など年数百万円と低廉なのが利点。復興庁は18年度予算案に前年並みの関連費用を盛り込んだ。
 担当者は「支援企業のモチベーション維持は現場で感じる課題の一つ。これまでの参加企業をつなぎ留めるだけでなく、被災地の新たなニーズに応えられる企業を積極的に募りたい」と話す。


2018年01月29日月曜日


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