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<うどん・そば自販機>懐かしの味守って60年 家族経営の工場、若い力も奮闘中

持ち帰り用パックのうどんを持つ(左から)茉莉奈さん、金忠さん、健多さん

 秋田市土崎港西1丁目にあった佐原商店で40年以上親しまれ、現在は近くの道の駅あきた港で営業するうどんとそばの自動販売機の麺を作り続ける製麺所がある。昨年、創業60年を迎えた同市土崎港相染町の金坂製麺所だ。代表の金坂金忠さん(82)を中心とした家族経営の工場には孫の健多さん(26)、茉莉奈さん(23)のきょうだいも加わり、変わらぬ味を守り続けている。
 製麺所を支えるのは、金坂さん一家6人と従業員4人の計10人。うどんやそば、ラーメンなど約25種類の麺を製造し、自販機やスーパーのほか学校や保育園の給食用などに卸している。
 同市内の製粉屋に勤めていた金忠さんは卸先からスカウトされ、麺作りを学んだ。22歳で独立。当初は麺作りから一人で手掛け、配達は自転車だった。
 2016年3月末で廃業した佐原商店には1973年ごろ自販機が設置され、77年に麺を卸し始めた。うどんとそばは、かつおだしのつゆに加え、つるんとした食感の麺が好評を博し、多い日は250〜300杯売れた。15年にはテレビ番組で紹介され、全国にその名が知れ渡った。
 麺作りの上で大切にしているのは水。軟水を使い、小麦粉の良さを最大限生かす。麺が軟らかくなり、つゆが染み込みやすくなるだけでなく、子どもや年配の人にも食べやすくなる。合成着色料は使わない。具の天ぷらはベテランの従業員が揚げている。
 金忠さんは「『麺の食感が好き』という人は多い。秋田市などでは長年、学校給食用に出していることもあり、市内の人は懐かしい味と感じるのではないか」と言う。
 製麺所では若い力も奮闘する。家族が働く姿を間近で見て育った健多さんは子どもの頃から家業を手伝い、約4年前から本格的に働いている。「将来は継ぐと決めていた」と健多さん。茉莉奈さんも「たくさんの人に喜んでもらえるのがうれしい」と話す。金忠さんは2人の姿に「心強い」と目を細める。
 佐原商店の元店長で自販機を管理する佐原澄夫さん(67)は「自販機が長年続いているのは、多くの人に愛されるおいしい麺を作ってくれる製麺所のおかげ。これからも一緒に頑張っていきたい」と語る。


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2018年01月30日火曜日


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