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<新電力>東北の生協が相次いで参入 宅配網活用じわり浸透

みやぎ生協などが共同出資した岩手県野田村の野田バイオマス発電所(みやぎ生協提供)
各生協が展開する電気販売のPRチラシ

 家庭向け電力販売の自由化から4月で2年になるのを前に、東北の生活協同組合が電力販売事業に相次いで参入している。主に風力や太陽光など再生可能エネルギーの発電事業者から電気を調達し、既存の営業網を生かして事業を展開。東京電力福島第1原発事故を踏まえ、各生協は再生エネへの転換を目指し東北電力の牙城に挑む。
 みやぎ生協(仙台市)は昨年11月に参入し、申し込みは約3650世帯に達した。再生エネの割合が75%で東北電より料金が100円高いプランと、17%で2〜4%安いプランの2種類を用意。後者の申し込みが9割を占める。供給も一部始まった。
 矢野敏昭エネルギー事業部長は「脱原発や再生可能エネルギー普及の趣旨に加え、料金もお得なプランが支持されている」と手応えを語る。初年度は1万世帯の獲得が目標だ。
 出足が好調なのは、生協が独自の宅配網によって約13万世帯の宅配会員と「顔の見える関係」を築いているためだ。共同購入の配達担当職員が直接訪問して説明し、切り替えの不安を払拭(ふっしょく)する。
 みやぎ生協は他生協と共同で、秋田県に風力発電所を3基設置した。日本生協連子会社の地球クラブ(東京)に売電し、同クラブから供給用の再エネ電気を購入している。地域に電源を増やし、域内の各家庭に供給する「地産地消」も促進する。
 青森県民生協が出資する青森県民エナジー(八戸市)も昨年6月、電力販売事業に参入。あいコープみやぎ(仙台市)は同10月から、パルシステム電力(東京)への契約切り替えを取り次ぐ。
 契約件数はともに100世帯台。あいコープ総務部は「再生エネの割合は87%と高い」とPRし、2月の口座引き落とし分から料金引き下げに踏み切った。
 電力広域的運営推進機構によると、東北電管内の東北6県と新潟県の新電力への切り替え率は昨年末時点で全契約数のわずか4%程度(23万4000件)。東北電の電気料金は全国的にも安く「参入しても利幅が小さい」(新電力)と競争は低調だった。
 ただ、多くの組合員を抱える生協は営業網を生かせる強みがある。今年6、7月には、いわて生協(滝沢市)、生協共立社(鶴岡市)、コープふくしま(福島市)も参入する予定だ。
 新電力関係者は「生協の本格参入で、東北でも電気への関心がようやく高まるのではないか」と期待する。


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2018年01月30日火曜日


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