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<仙台市18年度予算案>「郡カラー」創出に腐心 財源確保一層努力を

 郡和子市長が昨年8月の就任後初めて編成した2018年度当初予算案は、喫緊の課題と位置付けるいじめ防止対策や教育・子育て支援などに重点配分した。「厳しい財政状況の中、必要な施策を可能な限り盛り込めた」と自ら評価するように、独自色の創出に腐心したことがうかがえる。
 公約に沿って予算配分に努めた形で、とりわけ35人以下学級の拡大に関し「大きな一歩をまずは踏み出せた」と強調。待機児童や産後の母子支援など子育て分野のメニューを拡充した。
 各事業から郡市長が込めた方向性やメッセージが感じられた部分もあったが、初めの一歩に過ぎない。それぞれの事業を発展拡大するなどカラーを鮮明にしていくには、財源という大きな課題をクリアしなければならない。
 35人以下学級を中学2年に拡大するために計上する予算額は3億802万円。さらに対象学年を広げていくには大きな財政出動を伴う。公約に掲げた給付型奨学金の実現にも、財源確保の問題がつきまとう。
 市財政は綱渡りの状況。今回の予算編成も財政調整基金をほぼ全額取り崩すなどして歳入不足を埋めた。人件費や扶助費など義務的経費の割合を示す経常収支比率は99.4%で、財政構造は硬直化。予算編成に当たって市は「ぎりぎりのところで事業を精査し、財源をかき集めた」(財政局)と苦しい事情を明かす。
 財政構造の抜本的見直しに、明快な処方箋を見いだすのは難しい。行財政改革で巨額の財源を一気にひねり出せるわけではないが、財源捻出や経済活性化策に取り組む努力はこれまで以上に必要だ。
 住民自ら地域の活力を維持したり、交流人口を拡大したりして、経済効果を生みだす仕組みづくりは動きだしている。大きな財源が必要な施策だけでなく、郡市長が掲げる「市民協働」の視点に立った事業をいかに深化させ、展開していくかが試される。(解説=報道部・吉田尚史)


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2018年02月02日金曜日


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