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津波で畳んだ祖父の木工所…職人の志 孫が引き継ぐ 石巻の新井さん、工房構える夢抱き奮闘

ビジネスプランを発表する新井さん

 宮城県石巻市の家具職人新井千祐(ちひろ)さん(35)が、国内産の木材を使った愛犬家向けの商品などを扱う事業を始めようと準備を進めている。東日本大震災で木工所を畳んだ祖父の思いを引き継ぐ決意だ。女川町内に工房を構える夢を描く。
 同町のNPO法人アスヘノキボウが主催する「創業本気プログラム」に参加しビジネスプランを練った。町内で1月14日にあったプラン発表会で、3人の受講者と共に成果を発表した。
 犬用のフードスタンドや犬小屋、高齢犬向けスロープなどを製作し販売する計画。工房でDIYのワークショップなどの開催も検討する。
 祖父の内海弘策(こうさく)さん(94)は石巻市中心部で60年以上にわたり、木工所を営んでいた職人。しかし、木工所が震災の津波で被災し、店を閉めた。
 仕事に打ち込む弘策さんの姿を幼い頃から間近で見てきた新井さんは震災後、祖父の志を受け継ごうと決心。2011年5月から約1年間、鳥取県米子市の高等技術専門校で設計やインテリアを学んだ。
 その後、会社勤めや石巻市の高等技術専門校を経て、現在は同市の家具メーカー「石巻工房」を手伝う傍ら、作品を製作したり、牡鹿半島の古民家のリノベーションに携わったりして腕を磨く。
 創業本気プログラムには昨年11月に参加。起業経験者らの指導を受けながら、約7年間の積み重ねを形にしようと構想を膨らませてきた。今春にも事業を興す予定。新井さんは「女川を犬と人が笑顔で暮らせる町にしたい」と話す。
 同プログラムは、町の活動人口を増やそうと15年11月に始まり今回で5回目。前回まで参加した24人のうち、7人が町内外で起業した。


2018年02月03日土曜日


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