宮城のニュース

震災前の大切な日常に光「LOST&FOUND」 流され損傷した写真展示 来月・山元

「LOST&FOUND」プロジェクトの展示。損傷の激しい無数の写真が展示されている=2012年3月、米ロサンゼルス(高橋さん提供)
「LOST&FOUND」プロジェクトが保存している写真

 山元町で津波に流されて回収された写真のうち、損傷がひどく人物の判別が難しい一枚一枚を展示する「LOST&FOUND」プロジェクトが3月8〜11日、同町のつばめの杜ひだまりホールである。震災前にあったかけがえのない日常の断片を伝えるプロジェクトは反響を呼び、これまでに海外を中心に約30都市を巡回してきた。東日本大震災被災地での展示は山元町が初めてとなる。
 「LOST&FOUND」には忘れ物取扱所の意味があり、山元町で写真の洗浄、返却を大勢のボランティアが担った「思い出サルベージ」が回収した75万枚のうち修復の難しかった数万枚の一部を展示。震災を知ってもらうとともに被災地への支援金を募ろうと2012年に展示を始めた。
 海水や泥の影響でぼやけた印画紙に写る人物の表情はほとんど判別できない。それでも、運動会や祭りなど穏やかな日常の一部が分かる記念写真もたくさんある。今回の展示は、主催する町教委の要請を受けて実現し、約800枚が持ち込まれる。
 プロジェクトの実行委員長で写真家の高橋宗正さん(37)=東京都=は「ダメージが大きくても捨てたくないと思ったのが出発点だった」と言う。「大勢のボランティアから『写真が、そこに誰かがいた証しになると感じた』という言葉を聞き、展示することで損傷が激しい写真に役割を持たせることができると思った」と振り返る。
 展示は午前9時〜午後9時半。3月10日には高橋さんと思い出サルベージの溝口佑爾代表(34)らによるトークイベント「津波、写真、それから」(午後1時半〜3時)と、思い出サルベージの写真返却会(午前10時半〜午後3時)が同ホールである。いずれも入場無料。
 連絡先はつばめの杜ひだまりホール0223(37)5592。


関連ページ: 宮城 社会

2018年02月09日金曜日


先頭に戻る