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戦前の秋田の港町が銀幕に 市寄贈の記録映画、東京で上映

「能代港町全貌」の1こま。人や自動車でにぎわう街中心部。(東京国立近代美術館フィルムセンター提供)
「能代港町全貌」の1こま。当時の旅館。(東京国立近代美術館フィルムセンター提供)

 昭和初期の能代の街並みを記録した映画「能代港町全貌」(1934年)が11日と28日、東京・京橋の東京国立近代美術館フィルムセンターで上映される。木材の集積地として栄えた往時の様子を収めた写真や映像は少なく、映画史の面からも貴重な史料だという。
 無声の35ミリモノクロフィルムで、上映時間は約45分。能代市が昨年11月、センターに寄贈した。
 最新の製材機械を備えた秋田木材(現・新秋木工業)の工場、中心部でにぎわうバーやカフェ、料亭のほか、当時の最新鋭だった消防自動車、能代小唄や秋田音頭といった唄や踊り、人々の生活などが映像に収められている。
 33年に現在の天皇陛下が誕生したことを記念し、市内で幼稚園などを運営する学校法人渟城(ていじょう)学園が製作を企画。学園の運営母体である八幡神社の祭りで上映されたという。
 能代は戦後、大火に2度見舞われた。市市史編さん室の山田いく子副室長は「大火で街並みや道路が変わった上、写真などもほとんど残っていない。フィルムは当時を知る貴重な史料」と語る。
 2001年に学園からフィルムを寄贈された市はクリーニングやDVD化した上で保管。当時のフィルムは可燃性で、劣化が進むにつれて自然発火のリスクが高まるとされる。
 新庁舎建設で保管場所がなくなることもあり、センターに寄贈した。上映用フィルムの複製などを経てセンターの企画「発掘された映画たち」で上映されることになった。
 センターによると、当時の35ミリフィルムは劇映画用で高価だった。上映を企画した大傍正規主任研究員は「映画で街の記録を残すのは当時としては画期的な試みだと思う。立派な木造建築など最先端の街づくりをしていたことを示す貴重な地域の遺産だ」と話す。
 上映は11日が午後4時、28日は午後3時から。一般520円、高校、大学生と65歳以上は310円、小中学生100円。連絡先はセンター03(5777)8600。


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2018年02月09日金曜日


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