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<平昌五輪>栄冠へ最後の闘い モーグル男子遠藤尚選手 けが乗り越え3大会連続出場

男子モーグルの予選2回目へ回った遠藤選手

 フリースタイルスキー男子モーグルで、遠藤尚選手(27)=宮城・忍建設=が3大会連続出場を果たした。ソチ大会で15位に終わってから4年。かつてのエースは精神的にも肉体的にも苦しみ抜いてきた。「3度目の正直。金メダルを持ち帰る」。どん底からはい上がり、悲願に挑む。
 初の五輪の2010年バンクーバーで7位だったが、メダルを期待されたソチは入賞すら逃した。「喪失感しかなかった」。競技人生の歯車が狂い始めた。
 翌シーズンのワールドカップ(W杯)は開幕から2戦連続の表彰台。「それでも気持ちは入っていなかった」。違和感を抱えながらの滑りが続いた。
 15年1月、米ユタ州ディアバレー。W杯決勝前の練習のスタートに向かうリフトでふと思った。
 「けがしたいな」
 翌週の世界選手権はメダルが期待されていた。「けがをすればプレッシャーから逃れられる。ゆっくり休める」。転倒して腰を骨折したのは20分後だった。
 もちろん故意ではない。「でも、ほっとした」
 復帰後、滑りに気持ちがついていかず、体の動きが遅れた。16年に右肩を骨折。その後左肩も痛め、W杯の表彰台から遠ざかった。
 「そがれた自信を再構築する」。五輪シーズンの今季、決意を固めハードな筋力トレーニングを積んだ。徐々に全盛期の滑りがよみがえり、五輪の舞台に戻ってきた。
 ソチの時は金メダルを取ると公言していた。「半分は慢心だったんじゃないか」。今は違う。競技人生を振り返り、自分を見詰める冷静さがある。
 今季限りで現役を退くと決めている。9日の予選は13位と不本意な結果に終わったが、12日の予選2回目を勝ち抜けばメダルの可能性が残されている。「まだ全然チャンスはある」。27歳、最後の挑戦に懸ける。(平昌=佐藤夏樹)


2018年02月10日土曜日


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