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「山白玉」豆腐 新ブランドに 久慈の在来品種大豆使用 震災と台風被害乗り越え収穫

山白玉を手にCFへの協力を呼び掛ける嵯峨さん

 東日本大震災を機に祖母から老舗豆腐店ののれんを受け継いだ久慈市の嵯峨大介さん(35)が、地元の在来品種の大豆を使った豆腐作りに挑んでいる。2016年の台風10号豪雨を乗り越えて収穫した大豆「山白玉(やましらたま)」にほれ込み、「久慈の宝を全国に売り出したい」とインターネットのクラウドファンディング(CF)で出資を呼び掛ける。
 震災が発生したのは、嵯峨さんが勤めていた会社を辞め、古里に戻って11日後だった。「教わるなら今しかない」と一念発起し、祖母ツナさん(86)が一人で切り盛りする嵯峨豆腐店に弟子入りした。
 製造した豆腐を釜石市や宮古市の避難所に届け「多くの被災者に感謝された。あの震災がなかったら店を継ごうとは思わなかった」と振り返る。
 地元は深刻な過疎化に直面している。「おばあちゃんの味と伝統食材を守っていきたい」と嵯峨さんが着目したのが、久慈市山根地区で栽培される山白玉だった。
 山白玉は、倒伏しにくく白い花を咲かせるのが特長だ。1959年に岩手県の奨励品種になったものの病気に弱く収量も不安定で、いつしか地元でも生産されなくなっていた。
 幻の大豆を復活させようと、2016年には地域おこし協力隊員らが市内の畑で本格栽培を開始。しかし直後の台風10号で河川が氾濫し、全滅してしまった。
 協力隊員らは昨年、栽培に再挑戦して約100キロの収穫にこぎ着けた。嵯峨さんも独自に自宅の畑で栽培を始めていた。
 「山白玉は豆腐にすると、まったり感やふわふわ感が際立つ」と嵯峨さん。「希少性が高く優れた食味を生かして豆腐に加工し、地域活性化の一助にしたい」と意気込む。
 CFによる調達目標は機材購入費など100万円。3月30日まで専用ウェブサイト「いしわり」で受け付けている。


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2018年02月10日土曜日


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