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<震災6年11カ月>再生のラン開花、元気届ける 奥州・佐藤さん、地元で来月お披露目

花を咲かせたシンビジウムと佐藤さん

 東日本大震災の津波に漬かって放置されていた洋ラン「シンビジウム」が今年、初めて花を咲かせた。奥州市水沢区の洋ラン愛好家佐藤正人さん(64)が「被災地で頑張っている人たちを元気づけたい」と6年半にわたって養生を施してきた成果だ。被災地再生の願いを込めた洋ランは3月、展覧会に出品される。
 佐藤さんが洋ランを見つけたのは2011年9月。津波で被災した大船渡市にある妻の実家周辺の草刈りをしていて放置された鉢植えに目が留まった。
 「海水に漬かり、春先には雪も降った。そんな状況で半年も生きていたのが不思議だった」と振り返る。
 愛好家歴35年、大小700以上の花卉(かき)を自宅で栽培している佐藤さんだが「海水に漬かった花を育てたことはなかった」。弱った株や根を回復させようと海水を抜く作業を繰り返したが思わしくなく、13年春に状態の良い株を選んで植え替えた。
 ようやく17年春、状態が回復して株が十分に成長。株から新芽が伸びて今年の正月、ついに白くかれんな花を付けた。「何とか展覧会まで持たせたい」と現在は温度を約10度に保ち、乾燥させないようにしている。
 「震災を忘れてはいけない。その意味でも、このシンビジウムを多くの人に見てほしい」と願う佐藤さん。自身が事務局を務める岩手蘭(らん)友会による岩手洋らん展は3月9〜11日、水沢区のメイプルで開かれる。


2018年02月10日土曜日


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