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<防潮堤>「浜の分断避けたい」宮城県、予定していた住民意向調査を撤回 計画強行姿勢に疑問の声

防潮堤の整備計画などを説明した意見交換会

 東日本大震災で被災した宮城県石巻市の表浜港の防潮堤整備について、県は10日、現地で開いた意見交換会で、当初予定していた住民への意向調査を行わず、計画通り海抜6メートルの防潮堤建設に着手する方針を示した。県は出席者10人余りの意見を基に「住民の総意が得られた」と判断した。計画を強行する県の姿勢に住民から疑問の声が出ている。
 県漁協表浜支所であった意見交換会には住民ら12人が出席。県は冒頭、整備計画に加え、小渕(こぶち)浜、給分(きゅうぶん)浜両地区の全約160世帯と同港を利用する漁業者を対象に、防潮堤建設の賛否を問うアンケートの実施概要を説明した。
 しかし、出席した本木忠一・県議会建設企業委員長が「アンケートは浜を分断することになる。愚の骨頂だ」と批判。県の担当者は同様の見解に転じ、実施を撤回した。
 両地区の住民との意見交換会は本年度3回目。県はこれまでの参加人数が少ないとして「意向調査で広く住民の意見を聞きたい」と、防潮堤に関する初の住民アンケートを予定していた。
 意見交換会で住民からは「津波が来るたびに被害が出るのは困る」と建設に賛成する声と、「海抜6メートルの防潮堤では海が見えない」「住民は高さの変更を求めている。相談に応じられないなら協議の意味はない」などの反対意見が出た。
 県港湾課の小野潤哉技術補佐は報道陣の取材に対し「事業を進める方向で総意が得られたと感じた。アンケートによる浜の分断は避けたい」と説明。「現計画で整備を進め、景観などの課題は個別に相談を続けたい」と話した。
 小渕浜の行政区長大沢俊雄さん(66)は「県に押し切られたように感じる。これまで何のために意見交換会を開いてきたのか」と苦言を呈した。同港の防潮堤は総延長約700メートルを計画し、2020年度末までの完成を目指す。


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2018年02月11日日曜日


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