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<世界遺産>平泉5史跡、追加登録遠のく 岩手県教委、年度末の推薦書提出断念

岩手県教委が発掘を進める柳之御所遺跡=2017年8月

 岩手県教委は10日、世界遺産「平泉の文化遺産」で追加登録を目指す5史跡について、目標としてきた本年度末の文化庁への推薦書案提出を断念することを明らかにした。2012年度から5年間にわたり集中研究を進めたが、浄土思想と関連した「顕著で普遍的な価値」の証明にさらなる調査が必要だと判断。追加登録は見通せなくなった。
 5史跡は岩手県平泉町の柳之御所遺跡と達谷窟(たっこくのいわや)、奥州市の白鳥舘遺跡と長者ケ原廃寺跡、一関市の骨寺村(ほねでらむら)荘園遺跡。3市町と県による会議が同日、平泉町内であり、3市町の首長は県の方針を受け入れた。
 会議では18年度以降の連携継続を確認。文化庁に対し、追加登録の意思を示し続けることや、集中研究の成果を盛り込んだ準備状況報告書を本年度末に提出することを決めた。新たな推薦書案提出の目標年は示されなかった。
 追加登録を巡る県の有識者会議の議論では、これまでの発掘調査の成果などを踏まえ、本年度末の推薦書案提出を柳之御所遺跡に絞る案も浮上した。しかし3市町の異論もあって、5史跡の足並みをそろえる方針が堅持された。
 岩手県文化スポーツ部の上田幹也部長は「新たな物証や『仏国土』での役割といった論理構成が課題。一丸となった取り組みを続ける」と強調。奥州市の小沢昌記市長は「調査の方向性は出ており、世界に誇れる遺産として追加登録を目指す」と述べた。
 5史跡は、11年に平泉の文化遺産が世界遺産に登録される過程で浄土思想との関連が薄いとされ、構成資産を除外された。12年に国の暫定リストに復活している。


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2018年02月11日日曜日


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