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「悪臭が不安」「地価が下がる」どうするホタテ残渣 青森・外ヶ浜で処理施設計画進まず

外ケ浜町が蟹田地区に整備する残渣処理施設の予定地。建設のめどは立っていない
茨城県筑西市の施設で実際に作られたたい肥(外ケ浜町産業課提供)

 ホタテ養殖が盛んな陸奥湾沿岸の青森県外ケ浜町が、貝殻や付着物といった残渣(ざんさ)の処分に悩んでいる。残渣を町外に運び出す業者が確保できない状況になったためだ。町が整備する処理施設の新設計画にも反対意見が出ており、解決策は決まっていない。
 町の2016年のホタテ漁獲量は県内の約1割を占める約1万1000トンで、うち残渣は800トンに上る。残渣は町内の焼却施設で処理するほか、隣接する中泊町の業者が外ケ浜町外に運搬し、たい肥化などを進めていたが、18年度からは協力を得られなくなったという。代替業者も見つかっていない。
 外ケ浜漁協の要望を受け、町は1日で23トンの残渣をたい肥化する処理施設(延べ床面積330平方メートル)の建設計画を策定。蟹田地区の下水処理場隣接地を建設予定地に選んだ。
 昨年8月には職員らが茨城県筑西市の処理施設を視察し、実際にホタテの残渣を持ち込んでたい肥を作った結果、悪臭などの問題はなかったという。
 町はこれまで住民説明会を4回開催したが、「運搬時の悪臭が不安」「地価が下がる」など一部住民から反対意見が出て、着工のめどが立っていない。
 県内ホタテ漁獲量の5割を占める平内町の漁協も残渣の処分は難題だ。
 漁協関係者によると、焼却施設の老朽化が進み、残渣をたい肥化する新施設の建設が検討されたが、コストなどの問題で頓挫。処理方法の見通しが立っていないという。
 関係者は「対策を急がねばならず、来年度以降に処分の方向性を決めたい」と言葉少なに語る。
 青森市は一般廃棄物と同様に市内の処分場で処理している。蓬田村は15年から、残渣に鶏ふんなどを交ぜて、たい肥に加工する施設を稼働させている。
 水揚げ量の多い地域では効率的な手だてがなければ、残渣が大量に放置される可能性もある。外ケ浜町産業観光課の担当者は「住民の理解を得ることが最優先。説明を尽くし、処分システムを確立したい」と話す。


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2018年02月13日火曜日


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