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<ジャパンライフ>独居高齢者を狙い勧誘 東北担当元社員「『信者』をつくっていった」

山形県弁護士会の相談会に訪れた70代女性。ジャパンライフ商品の磁気ベストを着用していた=1月26日、山形市内

 磁気ネックレスの預託商法などを手掛けて事実上倒産し、東京地裁から財産の保全管理命令を受けたジャパンライフ(東京)で東北エリアを担当した元社員の男性が河北新報社の取材に応じた。元社員は「だましたつもりはないが、結果的に顧客に申し訳ないことをした。出資金の返済は見込めない。支援弁護士や消費者センターに駆け込んでほしい」と訴えた。

 同社は、購入した磁気治療器を別の顧客にレンタルするオーナーになれば年6%の収入を得られるとした預託商法を展開。こうした取り扱いは2002年ごろに始まったという。
 元社員は「(本社の指示で)1人暮らしの高齢者を狙い、年金が少ない時代に安定収入が得られると勧誘した。毎月のように会社主催のイベントに連れ出してもてなし、『信者』をつくっていった」と明かした。

 元社員によると、同社は昨年3月ごろから資金繰りが悪化した。債務超過は当時、338億円に上ったが、同社は昨年12月25日付で「(契約金は)絶対に返せる」と記した文書を顧客らに送付。本社幹部が全国各地で再建説明会を開き、顧客の引き留めを図った。
 同社が1月中旬、仙台市で開いた説明会には契約者約50人が参加。1000万円を出資した宮城県南部の70代男性は「『商品を値下げするので絶対に売れる』『倒産はしない』と洗脳するような話だけで、謝罪はなかった」と憤る。
 元社員は「現場の社員は最近まで会社の経営状態を知らなかった。現状は売る人も買う人もいない。説明会の内容は虚偽だと感じたが、顧客には明確に言えなかった」と釈明した。

 事実上倒産した昨年12月中に約700人の社員の大半が辞め、元社員も今月上旬に退社した。親族と共に計2億円を出資した元社員は「自分自身、最後まで良い物を売っていると信じていた。責任を感じるが、どうしようもない。会社の説明は信用せず、弁護士に相談してほしい」と話した。
 各地の弁護士会が契約者の債権回収に向けて動きだしているが、先行きは見通せない。山形県弁護士会が1月26日に開いた相談会に参加した天童市の70代女性は、これまで4000万円以上を出資。「老後の蓄えを全て失った。もう誰も信用できない」と嘆く。
 磁気ネックレスなどに約1600万円をつぎ込んだ知的障害がある60代男性の保佐人で、被害対策岩手弁護団が12日に開催した説明会に臨んだ花巻市の男性(42)は「知的障害者を標的にした悪質な行為。返還されていない分を取り戻したい」と語った。


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2018年02月14日水曜日


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