宮城のニュース

<読者と考える紙面委員会>「連載・止まった刻」遺族の無念さ伝わる

<検証・大川小事故>
◎状況変化克明に描く 須藤委員
◎教務主任の葛藤知る 榊原委員
◎連載通じ社会変えて 成田委員

 河北新報社は6日、第43回「読者と考える紙面委員会」を仙台市青葉区の本社で開いた。実名・匿名報道と長期連載「止まった刻(とき) 検証・大川小事故」をテーマに、仙台弁護士会の須藤力弁護士、NPO法人都市デザインワークス(仙台市)の榊原進代表理事、公認会計士の成田由加里東北大会計大学院教授の3委員が議論した。
(司会は河北新報社編集局長・今野俊宏)

 −「止まった刻」は、戦後最悪とされる学校管理下の事故を取り上げました。連載の感想をお聞かせください。

 榊原 ざわざわとした読後感が抜けなかった。復興の現場にいると、5年目、6年目から被災体験を話し始める人がいる。(震災7年というのは)当時の子どもたちが18歳以上になり、話せるタイミングなのかもしれない。
 第1部「葛藤」の男性教務主任について、最初は悪者のような印象を持っていた。前任地で津波避難のマニュアルを作ったり、人柄に触れる話があったり、いろいろな葛藤があったことが分かった。
 須藤 避難の在り方を正面から問うテーマだと思っていたが、残された遺族の無念さが非常に伝わってきた。唯一、生き残った教務主任は今も震災が続き、苦悩している。亡くなった方も悲しいし、生き残った先生も生き地獄なのだと思う。
 第2部「激震」は刻々と状況が移り変わる様子が伝わってきた。誰が何をどう考え、行動しようとしていたかが分かった。非常に重要なテーマを扱ったと思う。
 成田 非常に丁寧に取材し、心から力作だと思った。葛藤に苦しむ心の中まで伝えてくれた。報道は「いつ」「どこで」「誰が」など5W1Hが基本だが、ハート(Heart)をプラスした5W2Hの記事になった。連載を通して、二度と「未曽有」という言葉を使うことのない社会を実現してほしい。


関連ページ: 宮城 社会

2018年02月16日金曜日


先頭に戻る