宮城のニュース

<楽天>黒字達成、自立運営へ第一歩 ボールパーク化への積極投資奏功

 東北楽天を運営する楽天野球団の2017年度決算が黒字となった。本拠地球場のスタンド増設やボールパーク化への積極的な投資で集客を伸ばし、球団創設13年目でプロ野球チームを健全に運営できるだけの売り上げ規模になった。

 球団は2014〜16年、本拠地球場で創設時の05、06年の第1期改修以来となる第2期改修を実施。スタンド増設や観覧車設置、音響映像システムの更新、グラウンドの天然芝化などに約80億円を投資した。
 実質的な収容人数は約2万2000から約2万7000に拡大。ボールパーク化により、飽きさせない空間づくりも支持され、観客数は年々増加した。17年は開幕から夏場まで首位を走ったチームの好成績もあり、年間動員は過去最多の177万人を記録した。
 招待券比率は、この5年で約15%から約5%に下がり、有料入場者が増加した。観客1人当たりの滞在時間や消費額も伸び、収益力がアップ。運営面でも試合ごとにきめ細かい動員予測を立て、グッズや飲食に売れ残りや売り逃しが出ないようノウハウを蓄積。満員で盛り上がる球場はスポンサーの関心を引き、販売促進への活用など、協賛メニューも増やしたという。
 これらを可能にしたのは、球団創設時に宮城県から委譲された球場の使用営業権だ。球団は球場改修を自己負担で行う代わりに、自由に運営して収益を上げることができる。森井誠之執行役員営業本部長は「スピード感を持ってイベントなどのアイデアを形にできる」と話す。
 近鉄が消滅して新球団として参入した当時、プロ野球は一部の人気球団を除き、親会社が年間20億〜30億円を支払い、赤字を穴埋めするのが一般的とされた。
 これに対し、親会社楽天(東京)の球団への支出は、年間5億円程度にとどまるとみられる。球団の岡田朋城コーポレート本部長(公認会計士)は「広告の正当な対価としていただいている」と健全な関係と説明する。
 12球団の本拠地では比較的規模が小さい100万都市仙台で球団運営が可能であることを示した。岡田本部長は「今年の決算は球団が自走できることを実証した第一歩の数字」と語る。(野仲敏勝)


2018年02月19日月曜日


先頭に戻る