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<米軍機タンク投棄>100隻操業「寒けした」 油流出で禁漁

燃料タンク投棄の現場に向かうため地元漁船に乗り込む米軍関係者ら=20日午後1時ごろ、青森県東北町の小川原湖
米軍のF16戦闘機から投棄された燃料タンクの一部とみられる金属片=20日午前10時30分ごろ、小川原湖(小川原湖漁協提供)

 米軍三沢基地(三沢市)に所属するF16戦闘機の燃料タンクが落とされた小川原湖(青森県東北町)では20日、約100隻の漁船がシジミ漁をしていた。落下による水柱を見た漁師からは驚きの声が上がった。漁協は当面、流出した油の影響で湖内を禁漁にした。
 「雪が舞い上がり、最初は竜巻だと思った。水柱だったので、小さな噴火にも見えた」
 シジミ漁をしていた山田正彦さん(52)に聞こえた戦闘機のごう音は、普段より少し大きかった。その直後、約400メートル離れた場所に高さ約15メートル、幅約10メートルの水柱が立っているのを確認した。水柱から100〜200メートル付近では5隻ほどの漁船が操業していたが、どの船も異変には気付いていないようだったという。
 水柱が立った場所に近づくと、湖面の氷に直径約15メートルの穴が空いていた。近くには迷彩柄のプラスチックや金属片のようなものが散乱。小川原湖で1992年4月にあった米軍戦闘機の部品落下が思い浮かんだ。
 山田さんは「(戦闘機の)部品だと理解したら寒けがした。とんでもないほど近い距離。冗談じゃない」と動揺を隠さない。
 全国有数の好漁場に燃料タンクの油が流出した影響も大きい。小川原湖漁協は20日午後、緊急役員会で湖内での禁漁を決めた。期間は米軍がタンクと油を回収し、水産物の安全性を確認するまで。小川原湖は2016年度のワカサギとシラウオの漁獲量が全国1位。同じく3位のシジミは冬期間、高値で取引されるだけに経済的な痛手だ。
 漁協の浜田正隆組合長(76)は「運よく人災はなかったが、非常に遺憾だ。組合員の安全のため、米軍は小川原湖の上空を飛行しないでほしい」と語った。


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2018年02月21日水曜日


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