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亡き人と夢で再会 東北学院大生の震災遺族取材記録出版 大切な家族への思い考察

東北学院大の学生たちが聞き取り内容を発表した報告会
出版された「私の夢まで、会いに来てくれた」

 東日本大震災で失った大切な家族と、遺族が夢の中で再会した光景や会話などをまとめた記録本「私の夢まで、会いに来てくれた」(朝日新聞出版)が出版された。遺族を取材したのは東北学院大(仙台市)の学生16人。同大泉キャンパスで21日、報道向けの報告会があり、学生らは遺族の心に内に触れた思いを語った。

 教養学部の金菱清教授(社会学)ゼミの3年生と2年生の有志が2016年11月から取り組んだ。夢で見たエピソードを宮城県の遺族から聞き取り、31人の体験を27編にまとめた。
 3年の井出真奈美さん(21)は、石巻市の鈴木由美子さん(48)から津波で亡くなった三男の秀和君=当時(12)=と夢で再会した時の話を聞いた。
 震災1年後の夢は、秀和君が入学するはずだった中学の制服姿だったり、図書館に向かう途中だったりした。時間の経過とともに夢で会う回数は減ったというが、鈴木さんは「いつも一緒にいると思って生活する方が良い」と考えるようになったという。
 井出さんは「夢は悲しい過去を引きずるだけでなく、最愛の人に思いをはせることの現れでもあると分かった」と振り返った。
 ゼミのテーマは、夢の中で会う亡き人との交流が遺族に与える影響の考察。最初は聞き取ったメモが3行程度だったが、後半は内容が濃くなり、意見を交わすゼミが5時間に及ぶこともあったという。
 金菱教授は「夢で見たことを語り手と聞き手が正確に記したノンフィクションができた」と語る。272ページ、1500円(税別)。


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2018年02月22日木曜日


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