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<Eパーソン>外国船を祭り・食で誘致

[おの・すすむ]東北学院大卒。80年、東北経済連合会入り。東北観光推進機構推進本部長出向などを経て15年から常務理事。17年3月に東北クルーズ振興連携会議が発足し、座長就任。二戸市出身。59歳。

 東北にクルーズ船の寄港を促す官民組織「東北クルーズ振興連携会議」が発足し、3月で1年になる。外国船の寄港とインバウンド(訪日外国人旅行者)は増加している。同会議の座長を務め、東北経済連合会常務理事として誘致活動を担う小野晋氏に課題などを聞いた。(聞き手は報道部・高橋鉄男)

◎東北クルーズ振興連携会議 小野晋座長

 −東北の寄港状況は。
 「2017年は過去最多の78隻(国内船51隻、外国船27隻)が寄港した。18年は84隻の見込みで、過去最大となる13万トン級のMSCスプレンディダが青森、秋田、石巻に初入港する」
 「東経連が外国船会社の幹部を東北に招き、17〜18年で11隻が寄港を決め、空白域だった太平洋側の宮古や石巻、仙台入りも実現した。東北全域で認知度が高まり、東日本大震災の復興に向けた活力にもなる」

 −大型船で訪れる乗客は数千人規模に上る。
 「石巻港には3000人級の船が18年4回入港する。週2便の120人乗り航空機の定期路線開設に匹敵する。船の乗客は港から90分圏内を観光する。MSCスプレンディダは青森ねぶた祭の桟敷席を大量に予約し、地元を驚かせた」

 −東北に寄港する外国船は、横浜港など国内発着が中心で、乗客は欧米人や日本人が多い。
 「買い物目当てというより、祭りや伝統文化、食、自然体験などで知的好奇心を満たしたいというニーズが強い。外国船会社からは『新幹線で行くには不便だが魅力的な観光地を教えて』と求められる。ユーザー目線の商品開発が必要だ」

 −東北6県と新潟県には大型クルーズ船が寄港可能な港が八つある。受け皿は整備されているか。
 「仙台、小名浜両港はしっかりした受け皿組織ができていない。青森など先進地を見ると、地元首長のリーダーシップと商工関係者の継続的な関与が成功の鍵を握る。連携会議などを開き、各地が工夫や失敗事例を共有すればいい」

 −2020年の東京五輪・パラリンピックに合わせ、東京港にクルーズ船発着所ができる予定だ。
 「東京から北上してすぐの寄港地になる東北にとって追い風だ。ポートセールスと同時に受け入れ態勢を充実させる。何度も寄港先に選んでもらえるか、ここからが正念場と言える」


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2018年02月23日金曜日


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