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<震災7年>津波にのまれながら生き残った「奇跡の桜」古里帰る

移植された桜の前に集う児童生徒ら

 東日本大震災の津波にのまれながら生き残った石巻市旧雄勝中の桜が、養生先の山梨県から同市雄勝町に帰り、23日に披露された。震災から間もなく7年。桜を大事に育ててきた関係者らは「『奇跡の桜』を温かく見守り、命の大切さや人と人とのつながりを感じてほしい」と願う。

 桜は、本年度開校した小・中併設型の雄勝小(児童20人)と雄勝中(生徒21人)の昇降口近くに移植された。23日にあった記念式で児童生徒は、高さ約6メートルに成長した桜に「お帰りなさい」と優しく声を掛けた。
 雄勝中2年千葉希築(きづき)さん(14)は「僕たちの所に戻ってきてとてもうれしい。3年になる時に咲いてくれるのが楽しみ」と語る。
 2011年3月11日。旧雄勝中校舎は津波で全壊し、敷地内に生育していた桜やケヤキのほとんどが津波でなぎ倒された。
 当時校長だった佐藤淳一さん(57)は11年4月下旬、がれきの中で桜が花を咲かせているのを見つけた。「惨状の中で『ここに生きているぞ』と訴える姿がりりしかった」と振り返る。
 佐藤さんはこの桜を守ろうと決意した。震災支援で雄勝町を訪れた東京都のアートディレクター高橋重樹さん(56)や造園業石沢義勝さん(49)と協力。12年12月にトラックで都内へ運んで世田谷区の寺に移植した後、より養生に適した環境を求めて山梨県甲州市の寺へ移し、丹念に育ててきた。
 高橋さんは「いろんな人の気持ちが詰まった花を咲かせてほしい。子どもたちの心に桜が残り、卒業後も春になったら集まるきっかけになればうれしい」と話す。石沢さんは「桜は一生懸命生きている。これから学校に入ってくる子どもたちにも、桜のことを語り継いでほしい」と望む。


2018年02月24日土曜日


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