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<震災遺構>「高野会館維持管理しない」南三陸町が所有者に回答

被災した姿のまま残る高野会館。周辺では復旧復興の工事が進む=21日、南三陸町志津川

 東日本大震災で被災した南三陸町志津川の旧市街地に残るビル「高野会館」の保存の在り方を巡り、町は震災遺構として維持管理しない考えを所有者に示したことが23日、分かった。
 所有者は昨年9月、町が整備する震災復興祈念公園の一部に会館を組み込んで保存するよう求める要望書を町に提出。会館前を通る国道45号の高架下に祈念公園とつなぐトンネルの新設、歩道や駐車場といった周辺の環境整備も訴えた。
 町は回答書で「(震災遺構への)国の財政支援は1市町村1件で、防災対策庁舎が対象になっている。町の一般財政で会館を保存できない」と理解を求めた。かさ上げする国道の防災機能を低下させるとしてトンネルを設けられないことも説明した。回答は16日付。
 会館を所有する阿部長商店(気仙沼市)グループの阿部隆二郎南三陸ホテル観洋副社長は「建物として残したいが、民間の力には限度がある。津波の恐ろしさを多くの人に伝えるためにも、祈念公園と一体化した整備を引き続き要望したい」と話した。
 高野会館は鉄筋4階で延べ床面積2850平方メートル。震災の津波は4階まで達した。当時は芸能発表会が開かれており、高齢者ら327人が屋上に避難して助かった。同社は会館の公費解体に応じず、震災遺構として南三陸ホテル観洋の語り部バスの立ち寄り地にしている。


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2018年02月24日土曜日


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