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白石和紙の原料「トラフコウゾ」 故郷・愛媛で復活へ 産地間交流深める

畑でトラフコウゾの生育状況を確認する阿部さん=白石市郡山

 宮城県白石市と約900キロ離れた愛媛県鬼北町で、手すき和紙を通じた古くて新しい交流が生まれようとしている。白石和紙の原料「トラフコウゾ」は約400年前、鬼北町を含む当時の宇和島藩から持ち込まれた説がある。元々の生息地に今はなく、栽培が続く白石から株分けして鬼北で復活させようという試みだ。両市町の関係者が3月15日、白石に集まり贈呈式を行う。
 トラフコウゾが白石に伝わった経緯には諸説あるが、仙台藩祖伊達政宗が長男秀宗の治める宇和島藩に自生していたものを持ち帰り、紙すきを奨励したといわれる。
 鬼北町で手すき和紙作りを手掛ける「鬼北泉貨紙(せんかし)保存会」は、「土佐和紙」がある高知県から原料を調達している。会長の平野邦彦さん(55)が白石に原種が残っていることを知り、昨年4月に現地を訪れた。「泉貨紙に適した原料は年々手に入りにくくなっている。地元の高校とも協力して生産に取り組みたい」と話す。
 白石和紙は、地元での原料生産から仕上げまで一貫して手掛けるのが特徴。市内で唯一の白石和紙工房が2015年3月に商業生産を終えて以降、市内のまちづくりグループ「蔵富人(くらふと)」が技術継承に取り組む。トラフコウゾの栽培には04年5月から携わってきた。
 工房で学んだ蔵富人メンバーの阿部桂治さん(49)は「トラフコウゾ畑がなくなったときが白石和紙の終わりと教えられ、守り続けてきた。長い時間と距離を越えて鬼北町につながるのは感慨深い」と話す。
 贈呈式は白石市鷹巣の旧白石和紙工房を会場に、山田裕一市長と兵頭誠亀町長、両市町教育長、平野さん、阿部さんらが出席する予定。和紙産地として交流を深める。


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2018年02月25日日曜日


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