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<再生の針路>事業者支援で交流拡大/宮城県女川町・須田善明町長

高台から望む女川町中心部。震災から間もなく7年となる現在も復興工事が続く
須田善明町長

 未曽有の被害が出た東日本大震災から間もなく7年を迎える。県内の被災自治体では、復興のハード事業がほぼ完了し光が差し始めた所がある一方で、被災規模が大きく予想外の曲折もあって、思うように進んでいない所も出ている。沿岸部市町の首長に、足元の復興の進み具合や新たな課題などについて聞いた。

◎震災7年 被災地の首長に聞く(3)

 −2018年度は町復興計画における最終年度となる。復興の進捗(しんちょく)状況は。

<住環境に区切り>
 「復興事業は8割くらいまで到達し、基盤整備はめどが立ってきた。道路や雨水排水対策など、まだ整備中のインフラもある」
 「17年度内に災害公営住宅(859戸)が全て完成し、防災集団移転事業者や区画整理事業もほぼ完了する。住環境の基礎的な部分は一つの大きな区切りを迎える」
 「しかし、都市機能の復興などの面から言えば、まだ8割には達していない」

 −直面する課題は何か。
 「コミュニティーの再生。新しく立ち上がったコミュニティーが住民になじむには年月がかかる。行政と住民が連携する部分はあるが、地域が自律的に運営をする必要がある。定型的な解決策がないので、模索を続けていくしかない」
 「商工業では、復興工事関係者による町内での消費活動が数年後になくなる。事業者は新規の顧客を開拓したり、生産性を向上させたりして利益や付加価値を上げる取り組みをしなければならない。行政としては交流人口、活動人口をどう生み出すかを考えていく」

 −離半島部の再生をどう考えるか。
 「漁業でどんどん収益が生まれる構造をつくることで、後継者が生まれる。養殖ギンザケが地理的表示保護制度(GI)に登録されるなど、高付加価値化の動きはある。値段を付ける人とどう組むかが重要となる。漁業者だけで難しい部分があれば、行政が連携していくこともある」

 −原子力規制委員会による東北電力女川原発の新規制基準への適合性審査が進んでいる。

<「起業誘致」推進>
 「安全安心の確保を最優先に求める姿勢は変わらない。昨年、基準地震動(最大想定の揺れ)が規制委で了承されたことで対策の基準点が出てきた。今後の推移を注視しつつ、東北電には運営の品質向上などを求めていく」

 −将来の町の姿の展望は。
 「復興事業が完了したら『普通の町』になる。それを前提に、いい意味で当たり前じゃない、とがった町であることが求められていくだろう。『起業誘致』などを進め、アイデアの多様な組み合わせが生まれる環境をつくっていきたい」(聞き手は石巻総局・関根梢)


2018年02月25日日曜日


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