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<再生の針路>住民のまちづくり応援/東松島市・渥美 巌市長

大曲浜などさまざまな地区出身の被災者が暮らすあおい地区。住民主体のまちづくりを進めている

 未曽有の被害が出た東日本大震災から間もなく7年を迎える。県内の被災自治体では、復興のハード事業がほぼ完了し光が差し始めた所がある一方で、被災規模が大きく予想外の曲折もあって、思うように進んでいない所も出ている。沿岸部市町の首長に、足元の復興の進み具合や新たな課題などについて聞いた。

◎震災7年 被災地の首長に聞く(4)

 −復興の進み具合をどう見るか。
<人口減少が課題>
 「トータルとしては順調に進んでいる。災害公営住宅は1001戸が完成し、柳の目西地区の100戸を残すのみとなった。防災集団移転促進事業は7団地、717区画の宅地造成が完了し、空き区画の売り払いを進めてきた。空き区画は10区画となっている」
 「震災で大きな被害を受けた農業や漁業では、圃場や漁港の整備がほぼ終わり、生産量も回復してきた。今後は避難道路や矢本海浜緑地の整備、県松島自然の家本館部分の工事なども進む見通しだ」

 −直面する課題は。
 「人口減少が特に大きな課題。働く場をしっかりとつくることが復興や地域活性化につながる。企業誘致に関しては昨年6月、専門の市職員1人を県東京事務所に派遣した。新年度は県の企業立地の担当課にも1人を配置する予定だ。グリーンタウンやもと工業団地では企業の工場増築などの動きが活発化し、大曲浜地区の産業用地では15社の進出が見込まれている」
 「被災者に寄り添った『心の復興』も重要だ。市では震災で1133人が死亡・行方不明となり、家族や親戚らは心に痛手を負っている。防災集団移転団地『あおい地区』では住民が見守り活動などを実践している。地域のコミュニティーづくりを応援していく。持続的な取り組みには財源が必要だ。住民の善意にすがっているわけにはいかない」

 −新年度に重視する事業は。
<観光振興にも力>
 「次世代を担う子どもたちを大事に考えなければいけない。鳴瀬桜華小の新築移転に伴う造成工事が本格化し、矢本東小と矢本西小、赤井小への放課後児童クラブ整備が進む。夏休みの4日短縮を実施し、学力向上につなげたい」
 「韓国版トレッキングコース『オルレ』の奥松島コースオープンに向けた外国人観光客への対応、観光振興にも力を入れる。2020年東京五輪・パラリンピックの復興『ありがとう』ホストタウンに選ばれており、準備を進めていく」

 −昨年4月の市長就任から10カ月がたつ。
 「市民ファーストを基本として、市民の意見にしっかりと耳を傾ける。県議時代から築いてきた国や県とのパイプを生かしながら政策や課題に取り組み、4年間の任期に全力を尽くす」(聞き手は石巻総局・水野良将)


2018年02月26日月曜日


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