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<検証 郡市政>(上)議会との距離 自民との関係に苦心

初の本格予算案を提出した仙台市議会2月定例会に臨む郡市長=19日、市議会

 郡和子仙台市長は昨年8月の就任から半年が過ぎた。国会議員から転じ、市政の改革を掲げるが、手腕は未知数の域を出ていない。市議会では少数与党の中、難しい対応を強いられ、市役所出身ではない市長として、市職員の意識改革は緒に就いたばかりだ。安定した市政運営の上で鍵となる市議会と市職員との関係を追った。(報道部・吉田尚史)

 「とりわけ、最大会派の自民党の皆さま方のご理解をいただかないと、前に進まない。これまで以上に丁寧にご説明したい」
 仙台市議会2月定例会開会を控えた6日の定例記者会見。郡氏は「努力は惜しまない」などと精いっぱいの表現を並べ、自民党(21人)に秋波を送った。
 最大の市政野党会派の自民。市長選で自民、公明両党の支持候補が郡氏に敗れ、与党から転じた。定数55の市議会(欠員3)で野党勢力は3分の2近くを占める。初の本格予算案可決という命題に、郡氏は距離を縮めようと模索を続ける。

<他会派から不満>
 「すり寄りだ」「自民が抵抗勢力と言われているようだ」。メッセージを送られた自民市議に波紋が広がる。鈴木勇治会長は「なぜうちの会派だけなのか。違和感がある」といぶかる。他会派からも「全会派の協力が必要ではないのか」と不満が漏れた。
 市長就任から半年。議会との関係構築に苦心する場面がなお続いている。
 市長選を勝利に導いた野党共闘の枠組みが、今も議会対策に影を落とす。中でも自民との間合いを詰める上で表裏一体とされるのが、郡氏を支える共産党市議団(6人)との距離感だ。
 市政野党として予算案にも反対していた共産が与党入りしたことへの懸念は根強い。自民の有力市議は「共産と離れることが市長との関係構築には必要だ」と言う。ある市幹部は「市長はペーハー(pH)7の『中性』の立場でいいのだが」と注視する。
 郡氏を支えた元市議らが昨年10月の衆院選に立候補した際には、応援マイクを握って政権批判を展開。国政野党の元民進党衆院議員としての振る舞いが、自公両党市議の不興を買った。
 13日開会の市議会2月定例会でも、郡氏の立ち位置を見極めようと、政治スタンスや政権党との距離感を測る質問が相次いだ。
 「政治家として、これまでの延長線上に立つのか。全く新たな政治スタンスなのか」
 23日の一般質問で自民のベテラン市議から問われ、郡氏は「特定の立場に立脚することなく、市民や議会の理解をいただけるよう努力する」と答えた。

<職員に危機意識>
 市職員は議会と郡氏の不安定な関係を固唾(かたず)をのんで見守る。今定例会には郡カラーを象徴する副市長の人事案も予想される。
 市幹部の一人は「今までの市長も楽に議案を通していたわけではないが、職員は危機意識を持っている。市長と第1会派の自民の距離が縮まらないと、この先(の市政運営)も厳しいままだ」と険しい表情を浮かべる。


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2018年02月27日火曜日


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