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<再生の針路>沿岸部振興へ拠点整備/利府町・鈴木勝雄町長

須賀地区に新設された避難道路=利府町赤沼

 未曽有の被害が出た東日本大震災から間もなく7年を迎える。県内の被災自治体では、復興のハード事業がほぼ完了し光が差し始めた所がある一方で、被災規模が大きく予想外の曲折もあって、思うように進んでいない所も出ている。沿岸部市町の首長に、足元の復興の進み具合や新たな課題などについて聞いた。

◎震災7年 被災地の首長に聞く(6)

 −復興の進展状況は。

<避難道路が完成>
 「総額123億2400万円の復興事業全てに着手し、順調に進んでいる。須賀地区の避難道路が今月9日から通行可能になり、浜田地区と共に二つの避難道路が完成した。商業施設が集まる町西部へのアクセスも良くなった」
 「残る大規模工事は、浜田地区の防潮堤と須賀地区の水門整備だ。防潮堤は高さ2.1メートルで景観を損なわず、水門は遠隔操作で開閉できる。2018年度の完成を目指している」
 −今後の課題は。
 「東部沿岸地域の振興だ。国道45号が走り、JR仙石線陸前浜田駅もあるが、市街化調整区域や国の特別名勝・松島の保護地区のために住宅建築に制限がある。須賀地区は、隣接する塩釜市が市街化区域なので一層もどかしい」
 「東部全体の人口が、町長就任以来ほとんど変わらない。人口減が多い自治体からみると『ぜいたくな悩み』と言われるが、東西地域の均衡ある発展は町の悲願。土地利用の規制緩和を探り続けたい」
 −土地利用規制をどう乗り越えるのか。
 「市街化調整区域でも宅地化できる地区計画を浜田、須賀両地区に導入するため県と協議している。浜田地区には道の駅のような施設整備の構想が震災前からあり、復興事業にゴールが見えてきた今、取り組む時期だ。穏やかな海を生かした体験型マリンスポーツの拠点を想定している」
 −町長選で論争になった文化複合施設については。

<輸送力向上 課題>
 「グランディ21や県サッカー場、楽天2軍野球場など町内にはスポーツ施設が充実する半面、小中学校の音楽祭に近隣市町の施設を利用していて、文化面の整備が遅れている。町の人口も頭打ちで、高齢化に備えて幅広い世代が利用できる文化複合施設は必要だ」
 −2020年には、東京五輪サッカー会場やイオンモール利府の新棟オープンが予定されている。
 「大きな人の流れができる。新棟オープンで2000人の雇用が生まれ、JR東北線利府駅の利用客も、現行の1日1250人から5000人近くに増える見込みだ」
 「交通渋滞解消と利便性向上が急務になる。JRの増便とともに利府駅にバスターミナルバスを設け、公共交通の輸送力を上げて五輪対策にもつなげたい。町内に四つあるインターチェンジも効率良く活用したい」
(聞き手は多賀城支局・高橋秀俊)


2018年02月28日水曜日


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