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<回顧3.11焦点>震災2カ月、南三陸町全域で断水続く 津波被害の浄水場では基準上回る塩分濃度

宮城県南三陸町志津川地区の浄水場からくみ上げられている水。基準を超す塩分濃度が示された=2011年5月16日

 東日本大震災で被害を受けた宮城県南三陸町が震災から2カ月以上たっても、ほぼ全域で断水が続いている。主な浄水場が津波で壊れたり、冠水の影響で水源の塩分濃度が国の基準を上回ったりしているためだ。町は新たな水源の確保に乗り出したが、水道復旧のめどは立たず、復旧率は1%にとどまっている。

 町内で津波被害を受けた浄水場は4カ所(地図)。町内約5700戸の家屋のほぼ全戸に給水していた。家屋は全体の3分の2に当たる約3800戸が被災。残る約1900戸は被災を免れたが、ごく一部を除き断水している。避難所になっている体育館やホテルも断水が続く。
 浄水場のうち、志津川地区の2カ所と歌津地区の1カ所の計3カ所は水源の井戸から取水するポンプが動く。しかし、3カ所とも水の塩分濃度を示す塩化物イオンの量が国の基準(1リットル当たり200ミリグラム以下)を超えた。中でも志津川地区の2浄水場は800ミリグラムと高い数値を示している。
 町上下水道事業所は「塩分が土壌に浸透し、地下水に流れ込んだ可能性がある」と説明。宮城県は「地盤沈下で水脈が変わった可能性もあるが、はっきりした原因は分からない」(環境生活部)と述べる。
 戸倉地区の浄水場は津波で井戸が流された。沢水を水源にして給水施設を設置する予定で、5月末までに飲用として使用できる見通しだ。
 県によると、震災で県内62万660戸で断水したが、全県的には復旧が進み、16日現在、復旧率約94%まで回復した。断水家屋が1000戸以上あるのは南三陸町と気仙沼市に限られる。
 気仙沼市は震災前、市内約2万5800戸に給水していた。被災家屋約7000戸を除く約1万8800戸のうち17日現在、1万7500戸で復旧している。
 南三陸町の佐藤仁町長は「塩分の問題もあり、現段階で水道の復旧時期を明確に示すのは難しい。生活用水として使える仮通水の工事を進めたい」と話している。=2011年5月18日河北新報
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 東日本大震災の直後から、被災地で暮らす市民の課題を取り上げた河北新報連載「焦点」。震災7年の節目に、発生翌年までの主な記事をまとめました。
=肩書や年齢は掲載当時のものです。=


2018年02月28日水曜日


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