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<ふたば未来学園高>古里の復興、これからも発信したい 1期生あす卒業式

「人や映像、地元が大好き」。取り組みを発表する高橋さん=10日、仙台市青葉区

 古里の復興を発信したい−。新設高校の1期生が3月1日、学びやを巣立つ。東京電力福島第1原発事故の被災地などの未来を担う人材育成を掲げる福島県ふたば未来学園高(広野町)。生徒会活動など学校づくりに関わった高橋涼花さん(18)は「自分を出せた」と母校への感謝と決意を胸に卒業式に臨む。

 高橋さんは今月10日、仙台市であった東北の高校生らの課題解決に向けた活動を発表する大会で、同級生らの賛同を得て進めるプロジェクトを報告した。
 「地元を撮影した動画を投稿して発信する」「(動画を通じて)いろんな人がつながれるポータルサイトを作りたい」
 昨年から古里・富岡町など双葉地方を撮影した動画を集めている。既に同級生ら約20人が動画を寄せてくれた。インターネットで公開していく計画だ。
 富岡町は昨年春、帰還困難区域を除き避難指示が解除されたが、町民帰還の足取りは鈍い。
 「富岡に人が戻ってきてほしい。富岡が復興のシンボルになればいい。おいしいものを求め、福島に人が来てほしい」。大会では、好きな動画を生かす目標があふれ出た。
 東日本大震災と原発事故時は小学5年。中学生活は県内の避難先で送った。周囲に経験を共有できる仲間は少なく、一時不登校に。
 「伝統や歴史をつくれる」。2015年春、双子の姉と共に、ふたば未来学園高の1期生となった。
 「やりたいことは全てやろう」と心に決めた。1年時は生徒会副会長を務め、休校が決まっていた双葉地方の県立高5校の生徒会に連携を呼び掛けて共同でイベントに参加。2年時は寮長として、自主的な運営態勢づくりに取り組んだ。
 ふたば未来での3年間。探求型授業ではコミュニティー再生の重要性などを突き詰めた。考えて行動する力が育まれ、地域課題と向き合えた。同じような避難経験を持つ幼なじみの同級生らの支えも受けた。
 春からは推薦で決まった首都圏の大学に進み、経済学を学ぶ。「福島の経済基盤の問題を考えたい。動画を発信していく活動もこれからが本番」。卒業式は決意を新たにする日になる。

[ふたば未来学園高]2015年4月、福島県広野町の広野中校舎を借りて開校。東京電力福島第1原発事故の影響で17年3月に休校した双葉郡内の県立高5校に代わる形で開設された。総合学科で進学中心、スポーツ中心、実業科目中心の3系列がある。郡内の中学生を優先して受け入れる連携型中高一貫校。広野町内に新校舎が完成する19年度に中学を併設する。生徒417人の4割強が双葉郡出身。


2018年02月28日水曜日


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