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<再生の針路>応援職員ゼロ 自力元年/塩釜市 佐藤昭市長

震災復興市街地再開発事業が進む塩釜市海岸通地区。既存の建物が壊されて更地になり、目に見える形で事業が動きだした
佐藤昭市長

 未曽有の被害が出た東日本大震災から間もなく7年を迎える。宮城県内の被災自治体では、復興のハード事業がほぼ完了し光が差し始めた所がある一方で、被災規模が大きく予想外の曲折もあって、思うように進んでいない所も出ている。沿岸部市町の首長に、足元の復興の進み具合や新たな課題などについて聞いた。

◎震災7年 被災地の首長に聞く(7)

 −復興関連事業の進展状況はどうか。

<海岸通事業に力>
 「本年度末で事業の執行率は86%の見込みだ。新年度は復興の総仕上げに向けた第一歩と位置付ける。北浜地区と藤倉2丁目地区の土地区画整理事業、浸水対策や道路整備などの事業を復興期間中の今後2年半で完了させたい。特に、工事の入札を待つ海岸通地区市街地再開発は津波で被害を受けた中心部の街の再生として期待を寄せており、引き続き支援する」

 −市外からの応援職員の受け入れを本年度末で終える方針を示している。
 「7年間で33団体から派遣を受けてきた。各自治体とも大変な状況の中で応援していただき、申し訳ない。ただ、いつまでも頼ってはいられない。残る14%の復興事業は自分たちの力で解決しないと。『耕不尽(こうふじん)』、耕せども尽きずの姿勢で課題に向き合ってきた。決意を新たにしたい」

 −離島の浦戸諸島をどう振興するか。
 「人口減少に歯止めをかけるのは困難な状況だ。交流人口の拡大に向け、寒風沢島の災害危険区域を市民農園などに活用できないか検討している。桂島の災害危険区域の利活用についても住民の希望に添うよう考えていきたい」
 「特認校の浦戸小中には新たに23人が入学を希望しており、児童生徒数は2017年度より12人多い54人になる見込みだ。地域資源を生かした特色ある教育への評価が高くなっている証拠ではないか」

 −基幹産業の水産業、水産加工業は大震災後、苦境にあえいでいる。

<働き手確保支援>
 「従業員不足や原料価格の上昇など課題が多い中で、多くの外国人技能実習生や留学生が貴重な働き手になっている。実態を把握し、市として何が支援できるか検討するため、新年度に専任の担当者を置く」
 「昨年、市魚市場の全面建て替えが終わった。年間水揚げ額の目標は現在より十数億円多い120億円を設定している。主力のマグロに続く魚種の柱としてサバやカツオの水揚げ増に期待したい」

 −新年度、復興事業以外に何に力を入れるのか。
 「震災後の7年間を振り返ると、長期総合計画の各事業が手薄になった点は否めない。新年度は軸足を長期総合計画に置き、定住対策を重点に進める。市外から転入し、住宅を所得する子育て世帯や3世代同居世帯に50万円を上限として助成する制度を設ける。『いつまでも住みたい』『住んでみたい』と思ってもらえるまちを実現させたい」
(聞き手は塩釜支局・山野公寛)


2018年03月01日木曜日


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