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<筋弛緩剤点滴事件>仙台高裁、再審認めず 守受刑者の抗告棄却

 仙台市泉区の旧北陵クリニックで起きた筋弛緩(しかん)剤点滴事件の再審請求即時抗告審で、仙台高裁は28日、請求を棄却した仙台地裁決定を支持、元准看護師守大助受刑者(46)=殺人罪などで無期懲役確定=の再審開始を認めない決定をした。守受刑者側は最高裁に特別抗告する。
 地裁での再審請求審に続き、被害者の血清や点滴溶剤などから筋弛緩剤成分「ベクロニウム」を検出したとする鑑定結果の信用性が争点となった。
 嶋原文雄裁判長は、守受刑者側が新証拠として提出した捜査側鑑定の誤りを指摘する専門家の鑑定書を「実験を繰り返して分析手法を確立した捜査側鑑定を上回るものでなく、科学的根拠は薄弱」と判断。鑑定資料中のベクロニウム含有は明らかで、「確定判決の事実認定に疑いはない」と結論付けた。
 守受刑者側は「検出成分はベクロニウム自体でなく水溶状態で変化した分解物で、捜査側鑑定を直接証拠とした確定判決に疑義がある」と主張したが、高裁決定は「証拠構造に影響はなく、被害患者の症状は筋弛緩剤投与の結果と考えて疑問はない」と退けた。
 2014年3月の地裁決定は、被害者の治療に筋弛緩剤が使われていない上、ベクロニウムは体内で生成される物質でないことから「事件性の認定に疑いはない」と判断した。
 守受刑者は2000年2〜11月、患者5人の点滴に筋弛緩剤を混入して1人を殺害、4人を殺害しようとしたとして仙台地裁で無期懲役判決を言い渡され、08年に最高裁で確定した。12年2月に地裁に再審請求したが、14年3月に棄却決定され、仙台高裁に即時抗告した。
 仙台高検の大図明次席検事は「科学的、医学的知見を踏まえた妥当な判断がされた」との談話を出した。


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2018年03月01日木曜日


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