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<杜の都のチャレン人>「自らを肯定」後押し

ニュースポーツのキンボールを用いて、障害者らとウオーミングアップする加藤さん。「一人一人障害はさまざま。その人に合った楽しみ方を追求したい」

◎障害者向けスポーツクラブを運営 加藤秀太さん(26)

 真冬の午後、底冷えする体育館に楽しげな声が響く。
 「加藤さん、きょうは何するの」
 「バスケットだよ」
 宮城県障害者総合体育センター(仙台市宮城野区)の体育館。親しげに歩み寄ってくる若者に、笑顔で応えながら支度を始める。主宰する障害者対象のスポーツクラブ「ハピネス」の一場面だ。
 グループホームや自宅で暮らす人たちと週1回、フライングディスク、サッカーなどボランティアも交えて体を動かす。コンセプトは「学校の体育の延長」。「よく寝られるようになった」「笑顔が増えた」など、利用者家族の評判は上々。中には1年足らずで体重を20キロ減らした成人男性もいる。
 利府高時代は野球部に所属、3年の春に甲子園の土を踏んだ。東北学院大進学後は、小学生相手に野球を教えるなど、スポーツと関わり続けた。
 卒業後、一般企業に就職したが、なじめず2カ月で辞めた。「スポーツとつながった仕事がしたい」。頭に浮かんだのは、少年たちとの野球教室。早速、放課後に子どもたちを預かり、一緒に運動する活動をフリーの立場で始めた。
 活動開始から2カ月。転機が訪れた。小学1年の男の子。注意欠陥多動性障害(ADHD)を抱えていた。どうすれば楽しさを伝えられるか、夢中で勉強した。
 障害のある子の親と話す中で、一つの言葉が耳に残った。「特別支援学校を卒業した子どもたちは、体を動かす場がない」。ならば自分がつくろう。2016年10月、ハピネスを立ち上げた。
 夢は、クラブの人たち全員を全国障害者スポーツ大会に連れて行くことだ。障害者と健常者が共に輝く場を体験することで、親と子が自らを肯定し、前向きになれると信じるからだ。
 「いつになるか分からないが、一生かけて取り組みたい」(や)

[かとう・しゅうた]91年大崎市生まれ。東北学院大経営学部卒。16年10月、グループホームやハピネスなどを運営する一般社団法人「はぴねすの羽根」(仙台市泉区)を設立、代表理事に就任。大崎市在住。


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2018年03月03日土曜日


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