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<東北を熱くする 追悼星野仙一さん>(3)三つのボール 「開幕」3勝勇気届ける

ロッテとの開幕戦で勝ち越し3ランを放った嶋捕手(左)を迎える星野さん=2011年4月12日、千葉市のQVCマリンフィールド(当時)
三つの開幕戦のウイニングボール。各地で展示され、被災者を勇気づけた

 <東日本大震災が発生した2011年、プロ野球は予定より18日遅れて4月12日に開幕した。星野仙一さんが率いて1年目の東北楽天は千葉でロッテと対戦。先発・岩隈久志投手の好投、嶋基宏捕手の3ランなどで、6−4で勝った。ウイニングボールは被災地の皆さんへ届けてほしいと、河北新報社に寄贈された。「東北の皆様へ」は選手会長だった嶋捕手の文字。「2011 4.12 開幕戦勝利」は星野さんが書いた>

◎甲子園なら田中 
 やっぱり、最初のウイニングボールは東北に届けないといけない。それなら河北新報さんが一番いいだろうと思った。
 あのとき、本当はロッテ戦の開幕投手は田中(将大投手)に決めていた。だけど震災が起き、仙台の球場(日本製紙クリネックススタジアム宮城=Kスタ宮城)はまだ使えないので、東北楽天主催の開幕戦(4月15日)は甲子園を借りることになった。甲子園なら田中がいいなと変更したんです。
 一つ、面白い話があります。震災が起きる前のオープン戦のころ、「開幕投手はおまえだよ」とボールに書いて、外野でボール拾いをしていた将大にぽんと渡した。そしたら将大はメッセージも見ずに岩隈に投げようとした。「おい、将大、おまえメッセージを見ろ」と大慌て。気付いた将大は「ああっ、分かりました」と。
 <甲子園での主催開幕戦はオリックス相手に田中投手が完投し、3−2で勝利を収めた。このときのウイニングボールには田中投手が「東北の皆様江」と書いた。そして4月29日、修復工事を終えた本拠地・Kスタ宮城での開幕戦を迎える。先発は田中投手。オリックスに3−1で勝った>

◎この試合だけは 
 本拠地での開幕戦は、ようやく地元に戻れたなという思いで、選手は異常な精神状態でした。「このゲームだけは絶対に取らなきゃいけない」と。それぐらい、みんなが集中して戦っていました。
 <甲子園での主催開幕戦、本拠地での開幕戦それぞれのウイニングボールも、メッセージと共に河北新報社に贈られた。千葉での開幕戦と合わせた「三つのウイニングボール」はKスタ宮城やJR仙台駅、被災各地で展示され、被災者らを勇気づけてくれた。さらにこの年、オールスターゲームの第3戦がKスタ宮城で行われた。星野さんの強い要請で実現したとされる>
 こういうときこそ、東北でオールスターゲームを実施すべきだ。被災者のためにも、日本のためにもなる−。こう訴えたら、コミッショナーも各球団のオーナーも、みんなが分かってくれました。


2018年03月03日土曜日


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